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【独自】保育園の虐待指摘…日野市の「保護者向け説明会」音声入手 “園側の対応”詳細に語る

2022年12月23日 17:42
【独自】保育園の虐待指摘…日野市の「保護者向け説明会」音声入手 “園側の対応”詳細に語る

東京・日野市にある認可保育園で、市が虐待があったと指摘している問題。日本テレビが、市の「保護者向け説明会」の音声を独自に入手しました。市が詳細に語った“園側の対応”に、保護者からは不安の声が上がっています。

   ◇◇◇

東京・日野市の吹上多摩平保育園では、保育士の1人が複数の園児に対し、体を押さえ込むなどの虐待を行ったとされています。22日夜、虐待行為を認定した日野市が市役所で、保護者に向け説明会を行いました。

保護者
「ただ聞きたいのは、自分の子どもがどうだったか」

日野市担当者
「申し訳ありません。警察などに相談している関係上、差し控えさせていただきたい」

市は園側の対応が不十分だったなどとして、7月に改善勧告を出した経緯を説明。日本テレビが独自に入手した説明会の音声では、市はその後の園側の対応について明かしていました。

日野市担当者
「園側からは『やるはずがない。そのような行為は行っていない。市に話したやつは誰だ。命令を聞かないやつは、うちの園から出す』といったような趣旨の発言もあった」

市のヒアリングに対して、園側は、虐待行為を証言した人を明かすように迫ったといいます。また、市が追加のヒアリングを行うと通知したところ、何人かの職員は、ヒアリング中止の申出書だと説明を受けないまま、署名するよう言われていたことが分かったということです。

日野市担当者
「対象職員の署名捺印(なついん)がされた、ヒアリング中止の申出書を提出してきました。しかし、一部の職員の意思に反した署名捺印であることが判明しました」

その後も園側が勧告に従わなかったとして、市は公表に至ったと説明しました。

市が指摘した虐待行為を全面的に否定している園側。22日夜の説明会では、園が“来年4月の園児の新規受け入れを停止したい”と市に申し入れたことが明かされました。

23日朝、日本テレビの取材に対し、園の担当者は「来年度は保育士が足りなくなることが想定されるため、10月には受け入れ停止を申し入れていた」と説明。「市が虐待行為があったと公表したこととは関係ない」と話しました。また、「正式に決まっていないが、保育士が確保できれば、5月から新規募集を再開したい」ともしています。

説明会に出席した保護者からは、不安の声が聞かれました。

保護者
「このまま悪い方向に進めば、園が継続できないということにもなりますし、そうすると、子どもを預ける場所がなくなる」

「日野市と保育園の話は、いつ解決するのか見えないというか」

「1年2年付き合わされるのであれば、転園も考えないといけない」

園の担当者によると、園長は今回の騒動に責任を感じ、園長職を辞する考えを示しているということです。