感染者急増 夜の街QRコードで感染防止?
東京アラートが解除されてステップ3になった中、6月15日に東京都で感染が確認された48人のうち20人は、これまでに陽性者が確認されたホストクラブで働くホストや従業員などだということです。
小池知事は、「夜の街の方々、非常に吉住(新宿)区長が積極的に“集団検査”ができるように業界の方々と連携して進めておられる」と述べました。
これまで夜の繁華街で働く方々からは、検査への協力がなかなか得られなかったという側面もあります。このような中、新宿区長が業界と連携した結果、このような検査につながったということです。
東京都で6月14日に確認された47人の感染者数の内訳を見てみると、7人は病院の関係者で、“夜の街”関連は32人でした。中でも18人は、新宿区内にある同じホストクラブのホストだったということです。
区と保健所が、陽性者が見つかった店を対象に集団検査を促した結果、感染が判明したということなんです。検査した18人のホストは「無症状」の人が多かったということです。
集団検査をして感染者が出てくると、数字が増えるので「東京アラート」にも影響します。そのため、アラートの基準とする指標の運用の見直しも検討するという話が出ています。
“夜の街”での感染者の急増については、6月14日に西村経済再生担当大臣と小池知事、そして新宿区の吉住区長の3人で会談が行われました。そこで話し合われた対策について西村大臣が明らかにしました。
例えば、以下の3点です。
*新宿区が業界との連絡会を今週中にも立ち上げて、連携を密にする
*接待を伴う飲食店に入る際、客がスマホなどでQRコードを読み取り、その店で感染者が出た場合に連絡がいくようにする
*下水道の調査
下水道の調査では、下水中のウイルスの濃度の変化を見て、感染拡大の兆候を見つけられる可能性があるといいます。
東京都によると、すでにアメリカやフランスなどでは下水の中から新型コロナウイルスを検出した実績があり、研究が進められているそうです。
日本では、すでに6月上旬からこの調査を開始していて、週1回、新宿区を含む下水処理場で採取が始まっているということで、感染拡大防止につなげられることが期待されています。
色々な対策が考えられていますが、そもそも「接待を伴うお店」はいまも休業要請が続いています。そんな中で“夜の街”関連の感染が広がっているわけですが、西村大臣は6月14日、予定通り6月19日から以下の3業種の休業要請を緩和するとしています。
まず、バーやクラブ、ホストクラブなどの接待を伴う飲食店。
次に、ライブハウス。
そして、ナイトクラブ。これは、音楽を流して踊ったりする、いわゆる“クラブ”と言われるものです。
これら3つの業種の営業再開にあたってのガイドラインが公表されています。
まず、3業種共通の感染防止策として
*人との距離をできるだけ2m確保
*テーブルやカウンターにアクリル板などを設置
*顧客の名簿管理や体調チェック
*従業員も客も、マスクやフェースシールドをするようにとのことです。
さらに業種ごとにみてみると、バーやクラブなど接待を伴う飲食店では、客と一緒にカラオケやダンスは当面、自粛。そして、客と近い距離でのダンスやショー、シャンパンコールも当面自粛。お酌や回し飲みも避けるよう注意喚起するということです。
ライブハウスでは、少しでも接触を減らすためチケットはオンラインでの販売を推奨する。公演の前後や休憩時間に人が集まってしまうのも避けてほしいということです。
ナイトクラブでは、飛沫の拡散をおさえるため店内の音量を最小限にしましょうということです。大音量にしていると、どうしても会話する時、大きな声になり、それだけ飛沫も飛びますよね。
6月15日、東京都は第2波に備える対策を検討するワーキングチームを立ち上げました。
小池知事は「第2波の予兆を的確にとらえていく取り組みを進めなければならない」
として、休業要請の緩和や、解除の基準となる指標の運用の見直し、感染者の発生に地域差があるため、地域ごとに休業要請を出すことも検討課題としています。
今後、営業再開する店が相次ぎますが、店側だけでなく利用者側もこの新しい様式をしっかり理解して対策しないといけませんね。
2020年6月15日放送 news every.「ナゼナニっ?」より