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【解説】鶏肉を洗ってはいけない?…梅雨と食中毒 6月は1年で“最多”の感染者数 電子レンジの「加熱ムラ」にも注意

2023年6月13日 21:22
【解説】鶏肉を洗ってはいけない?…梅雨と食中毒 6月は1年で“最多”の感染者数 電子レンジの「加熱ムラ」にも注意

13日も湿度が高く、ムシムシしていますが、そんな梅雨の時期は食中毒に注意です。

◇6月は食中毒“最多”
◇鶏肉は「洗わない」
◇電子レンジ加熱のコツ

以上の3点について詳しくお伝えします。

■高齢者施設で集団食中毒が発生…死者も

日本気象協会が、「蒸し暑さを表す不快指数」を4月から9月限定で毎日発表しています。数字が大きいほど「蒸し暑く不快」ということを表しています。

13日10時発表の段階で東京は「78」、名古屋が「80」、福岡は「81」となっています。80以上が、だいたいの人が不快に感じる目安だといいます。

この時期、あわせて気をつけなければならないのが「食中毒」です。福岡市では今月2日、高齢者施設で集団食中毒が発生し、入所者や職員合わせて18人が、下痢や発熱の症状を訴えたといいます。

90代の入所者の女性が急性胃腸炎で亡くなり、便からは「病原性大腸菌」が検出されたということです。

福岡市は夕食が原因とみていて、発症した人たちが共通して食べていたのが、前日の夕食に出された「鶏肉のトマト煮」「カリフラワーのいため物」でした。

■梅雨どきから夏場にかけて注意したい食中毒の種類は?

この時期に起こりやすい食中毒について、どんなことに気をつけているのかを街で聞きました。

20代
「(食べ物を)外に持って行くときは、ぎりぎりまで冷たいように保冷剤とかを入れて持ち運んでいます。食中毒とかは怖いので」

30代
「(子どもの)遠足のときはお弁当ありますけど、その時は、入れるものは気をつけるようにしています」

全国で報告された食中毒の発生状況は、厚生労働省が「食中毒統計資料」をもとに作成した、去年までの5年間の月別の発生状況の平均を見てみると、6月が1946人とダントツで多いです。やはり、この時期は食中毒注意という感じですが、食中毒の原因にはどんなものがあるのでしょうか。

去年1年間の患者数を見てみると、1位はかきなど二枚貝が原因で起こる「ノロウイルス」。2位は「ウエルシュ菌」、カレーなど煮込み料理を長時間放置して発生することが多い食中毒(の菌)です。3位は「カンピロバクター」、十分加熱されていない鶏肉料理が原因の食中毒が多発しています。そして、4位は肉や卵が原因で起きる「サルモネラ属菌」。5位は魚介類に寄生する「アニサキス」という順になっています。

特に、梅雨どきから夏場にかけて気をつけたいのがウエルシュ菌、カンピロバクター、サルモネラ属菌といった細菌性の食中毒です。

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■気をつけたい「鶏肉」の調理…はねた水から細菌感染も