“母が流されている” 小学2年生が救助要請 海上保安部が感謝状 巡視艇の1日船長も 大分
海で流された母親らの救助を要請した小学2年生の男の子に感謝状が贈られました。さらに海上保安部の巡視艇の「1日船長」に任命されました。
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少し恥ずかしそうな顔をしながら入ってきたのは、大分市の小学2年生、冨田豊くん(8)です。別府湾で潮に流された母親などを助けるため的確に通報したとして、8月17日に大分海上保安部から感謝状が贈られました。
冨田豊くん(8)
「うれしいです」
7月17日、母親とボートに乗っていた冨田くん。しかし、ボートから泳ぎにいった母親の姿が見えなくなります。その後、船長も救助を試みますが、失敗。2人が流されるという状況になりました。
そのため、母親のスマートフォンを使い「ボートから泳ぎに行った母が見えなくなり流されている。救助をお願いします」と110番通報しました。
さらに“海上保安庁”にも通報しました。そこへ来たのが大分海上保安部の巡視艇です。冨田くんが通報のおかげで、ボートから約2キロ離れたところで無事に救助されたのです。
大分海上保安部が、救助の一部始終を撮影していました。
大分海上保安部
「2人おるな。はしごを準備しますのでお待ちください。頑張ってください。すぐ助けますから」
流されていた2人は投げられた浮き輪につかまり、無事に救助されました。
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――どんなふうに電話した?
冨田豊くん(8)
「緊急電話で電話しました」
――どんな気持ちだった?
冨田豊くん(8)
「怖かったです」
――助けに来てくれたとき、どう思った?
冨田豊くん(8)
「ほっとしました」
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17日、冨田くんは巡視艇の一日船長にも任命されました。海上保安部の職員から、大きな白い制服と、さらに帽子も渡されました。
海上保安部の職員
「ちょっと大きかったかな」
「でもいいやん! よく似合っとる!」
海上保安部の職員
「一日船長任命式を行います。冨田豊さん!」
冨田豊くん(8)
「はい!」
そして、出港に向けた指示を出し、敬礼した冨田君。
冨田豊くん(8)
「巡視艇『ぶんごうめ』出港用意かかれ!」
その後、冨田くんは船に乗り込み、職員たちに見送られ、港をあとにしました。しばらく手を振り、立派な船長を務めていました。この後、港内の巡視などを行ったということです。
――将来の夢は?
冨田豊くん(8)
「海上保安庁(の人)になること」
――なぜ海上保安庁の人に?
冨田豊くん(8)
「助けてくれたから」
(8月17日放送『news every.』より)