“給食”で3400人が食中毒 なぜ起きた
埼玉県で小中学校に通う児童や生徒などあわせて3400人以上が集団食中毒になったことがわかりました。原因は、同じ施設から提供された「給食」とみられています。
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これは、埼玉・八潮市の小中学校の献立表――。先月26日の給食メニューは、ごはんとみそ汁の主食に、おかずは、鶏のから揚げとにんじん、たまねぎ、いんげんなどが入ったツナじゃが。そして、わかめが入った海藻サラダでした。
この給食が出された2日後、異例の事態が起きたのです。
※先月28日、医療機関の通報――
「市内複数の小中学校の児童生徒が、腹痛や下痢などの食中毒症状を呈して受診している」
児童らが一斉に食中毒の症状を訴えたというのです。県が調査を行ったところ、市内全15か所の小中学校の児童・生徒、教員およそ7000人のうち、半数に近い3453人が同様の症状を訴えていたことがわかったのです。
給食を食べたという生徒がいました。
給食を食べた中学1年生「味はいつも通りだったが土日、普通におなかが痛い」「クラスの半分以上が」
給食を食べた中学3年生「土日でみんな、おなか痛いと言っていて、自分も痛くなって」「月曜日はけっこう休んでる人がいて、授業にならなかった」
新型コロナが心配なこのご時世。食中毒と判明し、逆に安心したといいます。食中毒を起こした人からは、腹痛などを引き起こす『病原大腸菌』が検出されましたが、いずれも症状は軽いということです。
県は、給食を作った「東部給食センター」を2日から3日間の営業停止処分としています。なぜ、食中毒が起きたのでしょうか?
食品衛生の専門家・女子栄養大学の斉藤守弘教授によりますと、生食の海藻サラダなどに菌がいたケースをのぞき、ほかの加熱食材だった場合、十分な加熱処理をすれば大腸菌は死滅するため、その後の保管環境が不衛生だった可能性をあげました。
県は食材の特定を含め、食中毒の原因解明を進めています。