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東海道新幹線“乗り心地”支える深夜の作業

2020年7月18日 19:25
東海道新幹線“乗り心地”支える深夜の作業

今月、東海道新幹線に13年ぶりとなる新型車両がお目見えしました。乗り心地の良さを追求した車両となっていますが、これを支える秘密はレールの下にありました。

最高時速285キロ。およそ2時間半で東京と新大阪の間を結ぶ東海道新幹線。今月、デビューしたのが、13年ぶりのフルモデルチェンジとなった新型車両「N700S」です。

明るく、広くなった車内には、全ての座席にコンセントが設置されました。長時間座っていても疲れにくい乗り心地の良い車両だといいます。

そんな新幹線の運行を支えるための大切な作業が深夜におこなわれていました。

先月27日の夜。新型コロナウイルス感染対策で、マスクをつけた作業員の姿がありました。この日おこなうのは線路の下にある古くなった石を取り換える作業。長年使い、削れて丸くなった石を角ばったものに替えるのです。

JR東海 掛川保線所・後迫英所長「ここの現場は29年前に替えた石です。(交換しないと)乗り心地に大きな影響を与えます」

午前0時過ぎ、いよいよ作業がスタートします。線路の内側が白くなっているのは、すり減った石が粉状になって吹き出した痕跡。「悲鳴をあげている状態」だといいます。

この日の作業区間は、およそ30メートル。始発電車までに作業を終えるためには、この距離が最大です。

そこにやってきたのは、全長160メートルの巨大車両。線路下にある古い石と新しい石の交換を同時におこなえる特殊車両です。

線路の下に巨大なカッターを差し込むと、古くなった石を次々と回収していきます。

一方で、新しい石を線路の下などに投入していきます。次第に強まる雨、限られた時間の中、黙々と作業が続けられます。

石の入れ替えにかかった時間はおよそ30分。しかし、これで終わりではありません。次におこなうのが石を締め固める作業。敷き詰めた石に衝撃を与え、しっかりかみ合って安定するまで繰り返しおこなわれます。

計測の結果は…レールの誤差わずか2ミリ。基準の範囲であることを確認し、すべての作業は予定通り午前4時過ぎに終わりました。

JR東海 掛川保線所・後迫所長「いくら車両が良くなっても土台を支える線路が良くなければ、快適な乗り心地は提供できませんので、このような作業が必要になっています」

新型コロナの影響で利用客が減少する中、導入された新しい車両。その運行は毎晩2000人近い人がおこなっている作業が支えています。

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