リツイートで「氏名表示権侵害」最高裁判断
リツイートされた際に、写真に入れ込まれていた撮影者の名前が、ツイッターの仕様で自動でトリミングされたことについて、最高裁は「氏名表示権を侵害した」との判断を示しました。
写真家の男性は自身の名前を入れ込んだ花の写真をウェブサイト上に掲載していましたが、無断でツイッターに投稿されました。
この写真がリツイートされた際にツイッターの仕様で自動でトリミングされて名前が削除されたことから、写真家の男性が、氏名表示権などを侵害されたとして、リツイートした人のメールアドレスの開示をツイッター社に求めていたものです。
2審の知財高裁はメールアドレス開示を命じ、ツイッター社が上告していました。
最高裁はトリミングされて名前が表示されなくなり、「リツイートにより、氏名表示権を侵害したものというべき」と指摘。ツイッター社の上告を退ける判決を言い渡し、発信者情報の開示を命じた判決が確定しました。
戸倉三郎裁判官は補足意見で、「ツイッターが自動でトリミングする仕様であることを知らないリツイート者は、意図せざる氏名表示権の侵害をしてしまう可能性ある」と指摘しました。
その上で「社会的に重要なインフラとなった情報流通サービスの提供者の社会的責務という観点からも、ツイッター社において、利用者に対する周知等の適切な対応をすることが期待される」としました。
林景一裁判官は「氏名表示権を侵害したとはいえない」とする、反対意見を述べました。