旅行先などから自宅に持ち込んでしまっているかもしれないのが、トコジラミです。世界中で、一般的な殺虫剤が効かない「スーパートコジラミ」がまん延しています。どんな場所に潜み、どんな生態なのでしょうか。医師に対処法を教えてもらいました。

■大手薬品メーカーへの相談件数は17倍

藤井貴彦キャスター
「ゴールデンウイーク明け、皆さんの部屋に潜んでいるかもしれません。1円玉と比べると大きさが分かります。約5ミリで、ギリギリ肉眼で確認できます。旅行先で荷物にくっつき、自宅に持ち込んでしまっているかもしれないのがトコジラミです」
「今年3月、アース製薬への相談件数は前年同月に比べて約17倍に急増し、301件になりました。特技はかくれんぼで、見つけづらいということです。さらに『スーパートコジラミ』もいます」

■一般的な殺虫剤で駆除できないものも

■ベッドの他は？…トコジラミが潜む場所

藤井キャスター
「海外旅行から帰った方もいらっしゃると思います。心配かもしれません。部屋にいるかもしれないと思ったら、どうしたらいいのでしょうか？」

小栗委員長
「英語では『Bedbug』＝ベッドの虫、と呼ばれています。寝室にいることが多いですが、ベッド以外ではどこに潜んでいると思いますか？」

波瑠さん
「植物が怪しいなと思います」

小栗委員長
「トコジラミは狭くて暗いところにいることが多いです。クローゼットの中、本棚の本、カーテンのしわの中などに、昼間はじっと潜んでいるということです」

■痕跡を見つけたら専用の殺虫剤を

藤井キャスター
「隠れているわけですから、どうやって見つけたらいいのか。難しいですよね」

小栗委員長
「1つは、痕跡を見つけることが大切です。『血糞』といい、吸った血がシミとなって残っていることがあります。これが見つかったらトコジラミがいる可能性を考えてください」
「スーパートコジラミには一般的な殺虫剤が効かないため、血糞を見つけたら『トコジラミ用』と書かれたものを使いましょう」
「生態に詳しい兵庫医科大学・皮膚科学の夏秋優教授によると、隙間などにはスプレー式（待ち伏せ式）を使えば、1か月ほど効果が期待できます」

■暗くして誘い出す「寝たふり作戦」

小栗委員長
「それでもトコジラミかどうか確信が持てない、ただ何かに刺されてかゆい、という場合がありそうですよね。そんな時のために夏秋教授が教えてくださったのが『寝たふり作戦』です。トコジラミは明るい場所が苦手なことを利用したものです」
「電気を消してベッドに横になり、文字通り寝たふりをします。こうして暗い状態にしてトコジラミを誘い出し、30分ほど経ったら電気をつけます」
「そして、ヒトを刺しに来たトコジラミを、体の表面やベッドの上で探します。もし1匹いたら数十匹いる可能性もあるので、専用の殺虫剤で駆除してください」

波瑠さん
「もっといい方法が早く見つかってほしいなと思います…」

藤井キャスター
「いずれにしても、早めの対処が必要になりそうです」

（5月7日『news zero』より）