「黒い雨」訴訟 84人全員被爆者と認める
原爆投下直後に降った「黒い雨」を浴びたにもかかわらず、「被爆者健康手帳」が交付されないのは違法として、住民が広島市などに処分の取り消しを求めた裁判で、広島地裁は原告全員を「被爆者」と認め、手帳の交付を命じました。
裁判を起こしていたのは、広島市や隣の安芸太田町に住む70代から90代の住民84人です。
原爆投下後、広島市などでは、放射性物質を含む「黒い雨」が降りました。しかし、国は「大雨が降った地域」のみを援護の対象としています。
29日の判決で、広島地裁は「原告らはいずれも黒い雨を浴びたと認められる」と指摘。その上で、「原爆との関連が想定される疾病があると認められる」として、原告全員を被爆者援護法上の「被爆者」と認定。「被爆者健康手帳」の交付を広島市と広島県に命じました。
「黒い雨」を巡る司法判断はこれが初めてです。