帰省は自粛? 「お盆休み」前に感染が拡大
6日、東京で新型コロナウイルス感染者が新たに360人確認されました。
お盆休みを前に、帰省してもいいのか、控えた方がいいのか迷っている人も多いと思います。
専門家や自治体からも様々な意見が飛び交っています。
■家庭内、カラオケ、ドライブ…増える感染
5日の東京の新たな感染者数は263人。感染経路で最も多いのは家庭内で25人。10歳未満から70代まで幅広い年代です。10歳未満の子どもが両親や同居している祖父から感染したというケースがありました。
都の担当者は「夏休みで家庭で過ごす時間が長くなっているため、ウイルスを持ち込まないことが大切だ」としています。また「高齢者がいる場合は話すときにマスクを着用する」「食事は時間をずらしたり、小分けにして食べたりする」など、注意喚起しました。
具体的な事例をみると、30代男性が感染し、周辺を調べたところ、一緒にカラオケに行っていた6人全員が感染していたケースがありました。
また、友人とドライブに行くなど、車の中で感染した人が3人いました。車に乗るときは窓を開けて換気すれば、ある程度の濃厚接触は避けられます。
■専門家「全ての年齢層に感染拡大」と懸念
6日、都内の感染状況を分析する定例のモニタリング会議が開かれました。
会議では専門家から、感染者が3日で1000人を超えるペースで増えていて、増加速度も上がっていて、全年齢層に感染が拡大しているとの懸念が示されました。
感染経路について全世代でみると、同居する人からの感染が最も多いです。年代別では、20代から30代は接待を伴う飲食店等による感染が一番多く、次いで職場です。
40代以上で最も多かったのは、同居人からの感染です。
感染経路不明者について、5日までの1週間平均で210人と急増。前回よりも56人増えています。検査の陽性率は6.9%と微増。入院患者数は前回から300人以上増えて1475人となりました。重症者数は21人でほぼ横ばいです。
■感染者が急増する「沖縄」
5日、全国の新たな感染者は1357人。栃木、滋賀、熊本などで過去最多となりました。他にも大阪で196人。愛知や福岡でも100人を超え、依然高い水準です。
1か月前、7月5日の全国の感染者数は207人。そのほぼ半分は東京の感染者が占めていました。
ところが、5日は全国の感染者1357人のうち、東京は19%。日によって変動はあるものの、もはや東京だけが感染拡大の中心地ではないことがわかります。
では、どこが増えているのか?
人口10万人あたりの感染者数を見てみると、7月1日から、東京、福岡、愛知、大阪などの都市圏ではじわじわと増えています。
注目したいのは7月の下旬から爆発的に伸びている沖縄です。10万人あたりの感染者が30人を超えています。
10万人あたりの感染者数は、東京は約17人、福岡は約16人、大阪や愛知は約14人。この数字と比べると沖縄の数字の高さがわかります。
■帰省は自粛すべき?
お盆を前に、帰省に関する考え方がいくつか示されました。
政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は、5日緊急会見を開き次のように述べました。
尾身会長「高齢者に感染すれば重症化しやすいため、できれば帰省を控えていただきたい」
日本医師会も「帰省先の医療提供体制を確認した上で行動を」として、『我慢のお盆休み』にしようと呼びかけました。つまり、なるべく帰省は控えようということです。
一方で、西村経済再生担当大臣は「感染状況に応じて、知事の判断で呼びかけを行う」としました。帰省していいとか控えるべきという判断には踏み込まず、自治体の状況に応じて判断しましょう、ということです。
6日のモニタリング会議でも、症状のない人が知らないうちに他の人にうつしている可能性が指摘されました。お盆で帰省するか決める際にはそうしたリスクも考えた上で行動したいです。
2020年8月6日16時ごろ放送 news every. 「ナゼナニっ?」より