市川猿之助容疑者、母親への「自殺ほう助の疑い」で逮捕…なぜ、このタイミングで?
警視庁は27日、歌舞伎俳優の市川猿之助容疑者を母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕しました。(身柄が移された目黒警察署から中継)
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歌舞伎俳優の市川猿之助こと喜熨斗孝彦容疑者は先月18日、東京・目黒区の自宅で、意識がもうろうとした状態で見つかりました。別の部屋で倒れているのが見つかった母親の延子さんは、その場で死亡が確認され、父親の段四郎さんは搬送先の病院で死亡が確認されました。
司法解剖の結果、両親の死因は向精神薬を服用したことによる中毒死とみられることがわかっていますが、猿之助容疑者に対する聴取や薬の鑑定などを進めた結果、猿之助容疑者が薬を用意するなどして母親の自殺を手助けした疑いが強まり、警視庁は27日午前、猿之助容疑者を逮捕しました。
猿之助容疑者は任意の事情聴取の段階で、容疑の内容について大筋で認めていたということです。
■なぜ、自殺ほう助容疑での逮捕になった?
捜査関係者によりますと、猿之助容疑者は、これまでの複数回の事情聴取で、「死んで生まれ変わろうと家族で話し合い、両親が睡眠薬を飲んだ」という話のほか、「その後、両親の頭から袋をかぶせた」という趣旨の話もしていました。
警視庁は、このような猿之助容疑者の話と現場の状況などに矛盾がないか慎重に捜査を進めた結果、猿之助容疑者が薬を用意するなどして母親の自殺を手助けしたものの、無理やり薬を飲ませたのではなく母親が自らの意思で飲んだと判断し、自殺ほう助の容疑での逮捕となりました。
また、猿之助容疑者は自身も自殺を図っていて、再び命を絶つ恐れがあるほか、自宅から睡眠薬のゴミなどは見つかっておらず、猿之助容疑者が薬のゴミは捨てたと話していて、証拠隠滅の恐れもあるため、警視庁は身柄拘束を伴う逮捕が必要と判断したとみられます。
■なぜ、このタイミングでの逮捕になった?
自宅からは睡眠薬や睡眠薬が入っていた包みや袋などは見つかっておらず、警視庁は猿之助容疑者の説明と両親の体内から検出された薬の成分に矛盾がないか、薬は致死量だったかなどを裏付けるために薬の鑑定などを進めてきました。
この鑑定結果が出るまでに一定の時間がかかったことも、このタイミングとなった理由です。
■今後の捜査のポイントは?
警視庁は、死亡した両親のうち、まずは死亡が先に確認された母親に対する自殺ほう助の疑いで逮捕し、犯行の経緯を調べる方針ですが、本人も「自分に処方されていた薬を両親が飲んだ」と説明していることなどから、今後は父親の段四郎さんの死亡した経緯についても調べることにしています。