小学生時代に藤井七冠を“大泣き”させ…竜王戦 同学年対決 伊藤七段を知る人「将棋しかしていないからプライベートがない」
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“将棋界最高峰”の舞台、「竜王戦七番勝負」に挑む同学年の2人。2人の年齢の合計は41歳で、これはタイトル戦史上最年少だということです。
伊藤匠七段(20)が、史上初の八冠に「王手」をかけた21歳の藤井聡太七冠に挑みます。実はかつて、藤井七冠を大泣きせた因縁の相手でもあるのです。
5日の前夜祭では――
藤井聡太七冠(21)
「“伊藤七段”とは同い年。同い年ではなくて今は私が1歳上なんですけど、同学年でもありますけれども、竜王戦という素晴らしい舞台で対戦できることは私自身もとても楽しみにしています」
そして小学3年生の時、藤井七冠に対局で勝利し、“泣かせた男”こそ1歳年下の伊藤匠七段です。タイトル戦は初挑戦になります。
伊藤匠七段(20)
「本当にわからないことばかりではあるのですが、藤井竜王とのタイトル戦ということで本当にいろいろな“感慨深いもの”がありますが、私自身はあまり話すことが得意ではないので」
そんな2人の関係を語る上で、欠かせない1枚の写真があります。
2012年、小学生の将棋大会3年生の部で撮影されたもので、画面向かって右が3位の藤井少年。左が準優勝の伊藤少年です。そして2人の間に立っているのが大会で優勝した川島滉生さんです。
現在は、早稲田大学将棋部の主将をつとめる川島さんに2人の知られざるエピソードを聞きました。
まずは、“たっくん”と呼ぶほど仲良しだという伊藤匠七段についてです。
川島滉生さん(21)
「今と変わらない感じ。すごく寡黙な今と変わらない感じ。将棋に対する能力はずば抜けている。努力に関しては天才」
当時も今も寡黙と話す一方で、プライベートがないほど将棋に情熱を傾けたといいます。
川島滉生さん(21)
「将棋への熱の入り方が違うなと感じた。将棋しかしていない、だからプライベートがない」
当時から、藤井七冠をライバルとして意識していたということです。
川島滉生さん(21)
「(全国小学生将棋大会に)“藤井現七冠”が出場するとなった時に、私は全然彼の名前知らなかったけど、たっくんは彼のことを認識していてすごく強いと話していましたね。そんなこと言うんだなと…今まで聞いたことなかったので」
ただ、“大泣き”したというエピソードについては、見覚えはないといいます。
川島滉生さん(21)
「当時泣いたという記事を見たくらいで、そうなんだと」
藤井少年は陰でこっそり、涙を流していたのでしょうか。あれから10年あまり。伊藤七段は藤井七冠について、「自分を引き上げてくれた存在」と話しています。
7日午後には第1局の勝敗が決まる見通しです。