コロナ感染対策“一律”から“個人の判断”に 5類引き下げ「5月8日から」政府方針固める
政府は26日、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけを、5月8日から現在の「2類相当」から、季節性インフルエンザと同じ「5類」に引き下げる方針を固めました。これからの日常は“個人の判断”となります。日本テレビの小栗泉解説委員が解説します。
■季節性インフルエンザと同じ「5類」引き下げへ
有働由美子キャスター
「政府は、5月8日から新型コロナの位置づけを『2類相当』から季節性インフルエンザと同じ『5類』に引き下げると方針を固め、1月27日に正式決定する方針です。小栗さん、具体的にどうなるのでしょうか」
●なぜ5月8日?
小栗解説委員
「まず、なぜ5月8日なのか。当初は『年度始めがキリがいいのでは』という話もあったのですが、『4月では自治体の準備が間に合わない』という指摘がありました」
「またゴールデンウイーク前に5類に引き下げて、仮に感染が拡大した場合、『政府の判断が間違っていたのではないか』という批判が出て、『5月19日からの広島サミットに、悪影響を与えるのではないか』という声が政府内にあって、ゴールデンウイーク明けの5月8日ということになったようです」
●お金の負担
小栗解説委員
「政府はワクチン接種について、当面は無料で接種できるよう最終調整しています。医療費の公費負担については、段階的に縮小する方向で調整が行われています」
●屋内“脱マスク”?
小栗解説委員
「気になる“屋内でのマスク着用ルールの見直し”については、厚生労働省の専門部会などで『時期尚早』だという否定的な意見が出て、引き続き調整が行われることになりました」
■「一律」から「個人の価値判断」へ
有働キャスター
「感染対策でいいますと、マスク以外にもありますけど、その辺りは?」
小栗解説委員
「厚労省のアドバイザリーボードで、『これからの感染対策の考え方』という提言が有志の専門家18人から出されました。例えば、これまでは飲食店には『パーティション』、『利用は○人以下』、『座席は1つあける』など、政府や自治体が国民に要請して、感染対策を“一律”に示していましたよね。それを今後は『個人がそれぞれの価値判断で決める』、『感染対策をするもしないも、強要されないように配慮されるべきだ』としているのです」
有働キャスター
「『それぞれの価値判断』ということですが、廣瀬さんはどのように考えますか?」
廣瀬俊朗・元ラグビー日本代表キャプテン(「news zero」パートナー)
「大人はともかく、子どもたちの学校現場では、体育の時間で“全速力“以外はマスク着用だったり、先生がマスクをしていると外しにくかったり、“個人の判断”だけでは難しいなと思いました。だからこそ『人それぞれでいいんだよ』という環境作りを大事にしてほしいですね」
有働キャスター
「そうですね。つまりマスクでいうと、これまでは『こうしなさい』、『みんな一緒にやりましょう』となっていたのが、急に『個人で』となると、『不安だな』と思う人もいらっしゃると思いますが?」
小栗解説委員
「もちろん高齢者・リスクのある人に感染を広げないための対策は必要だとしています。今後、専門家は『科学的知見をもとにした効果のある具体策を示していきたい』としています」
有働キャスター
「マスクですと『外したい』という気持ちも、『付けたままでいたい』という気持ちも尊重しましょうということで、状況に応じて、自分を守り、人にうつさない対策というのが“これからの日常”になりそうです」
(1月26日放送『news zero』より)