“ロイヤルファミリー”の1人と呼ばれ、「従業員の降格人事」の決定権を持っていたとされ、店舗視察の中心にいたという長男・兼重宏一前副社長。一体どんな人物なのでしょうか。現役社員は「社内では“将軍様”みたいな存在だ」と話します。

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『news zero』は、ビッグモーターの店舗で2年前に撮影されたという映像を入手しました。

映像に映っていたのは、従業員から「お疲れさまです」と大きな挨拶で迎えられ、小さくうなずく人物。ビッグモーター前社長・兼重宏行氏の長男、兼重宏一前副社長です。

幹部陣と店舗を度々視察に来たという宏一前副社長。どんな人物なのでしょうか。

現役社員は「社内では“将軍様”みたいな存在だ」と話します。

ビッグモーター　現役社員
「5～6年前から突如現れた。実権を握りだして会社は180度変わりました、体制が。それからです。パワハラや頻繁な人事異動・降格が始まったのは。その偉そうな感じで全社の中では“ロイヤルファミリー”って（呼ばれていた）」

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“ロイヤルファミリー”の1人と呼ばれ、「従業員の降格人事」の決定権を持っていたとされる宏一前副社長。その横暴ぶりが特に目立ったというのが「環境整備点検」で、入手した映像はそのときのものとみられます。

元店長は、その様子について「（前）副社長（宏一氏）とか当時の本部長、役員クラスが来ていました。多いときで5人」と話し、“大名行列のようだった”といいます。チェックされる項目は約20個です。

ビッグモーター　元店長
「最初に見るのが、ダッシュでお迎えに行っているか、全力疾走で。本部の車が来たら、店長が全力疾走でお出迎えにあがる。大声で『お疲れさまです』と挨拶をする。これができていなかった店長は、その場で降格」

入手した映像でも、前副社長ら幹部に「お疲れさまです」と、まず大声で挨拶する様子が映っていました。

――店長になったときは全力ダッシュも？

ビッグモーター　元店長
「やってました。部活の時より全力だったかもしれない」

その後、「店の売上額」や「デスクのきれいさ」など細かなチェックが続き、いま問題となっている店の周りの街路樹や雑草の様子も点検していたといいます。

ビッグモーター　元店長
「ひどい場合は（その場で）降格処分を受けた店長もいる」

現役の社員も、実態を明かしました。

ビッグモーター　現役社員
「機嫌を一言でも損なうことを言うと、一発でアウトなので、どこに飛ばされるか、どんな降格の罰を与えられるか分からない」

――降格はその場で言われる？

ビッグモーター　現役社員
「ほぼその場です。『ああもう君交代』とか」

降格の理由はほとんど説明されず、こうした前副社長の対応は従業員を萎縮させ、調査報告書では“不正請求問題”が起きた原因の1つと指摘されています。

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また、ビッグモーターをめぐって相次いで発覚しているのが上司からの“パワハラ”問題です。

元社員の男性が見せてくれたのは、「木偶の坊」「PONKOTU（ポンコツ）」などと落書きされた名刺です。

ビッグモーター　元社員
「バカ・アホ・怠惰。毎日色々なことを言われ続けました」

毎日のように厳しい“パワハラ”を受けていたと明かしました。

別の写真には輪ゴムで受話器を顔にくくりつけられた男性の姿が映っていました。「営業電話が足りない」と当時の店長にやらされ、この写真は複数のLINEグループで拡散されたといいます。

ビッグモーター　元社員
「見せしめにして他の人を鼓舞するじゃないですけど、利益を上から常に求められてプレッシャーが度を越した行為というか“パワハラ”につながっていった」

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相次いで問題が発覚したビッグモーター。9月から営業時間を短縮することが2日、あらたに分かりました。

現在ほとんどの店舗が午前9時から午後8時までの営業ですが、全店舗で午前10時から午後7時までにするということで、「労働環境を改善してお客様へ最高のサービスをご提供するため」としています。

（8月2日『news zero』より）