海の神さまの丸い石
「ひとつ拾えば、ひとつきれいになる」
84歳の岩田弘さんは、晴れた日も吹雪の日も毎日、浜を掃除します。
「あー気持ちがええ!気持ちがええねきれいになると」
「(これなんですか?)冷蔵庫です。」
「まあ発泡スチロール、ペットボトル。こがなもんがすごく多い。」
「一番うれしいのは、ゴミがなくてきれいだなといわれると一番うれしいだ」
もう60年…。この浜をずっと守り続けています。
「なんか海とかをきれいにしているから海の神さまと言っているとおもいます」
「みんなが海の神さまっていっています」
波と丸い石が奏でる不思議な音色、「鳴り石の浜」。
その音を聞けば『縁起が良くなる』と、たくさんの人が訪れます。
「(この海岸もゴミが少ないね)はい、岩田さんが全部拾っているんです。1日ちょっとずつ」
「海の神さま」と呼ばれるきっかけ、それは、山で育った妻の治美(はるみ)さんが、友人をここに招いた時のこと。
慌てて始めたのが海岸の大掃除。
「とにかくきれいな海に案内したいな。せっかく来ていただくからまた来たいなって言われると、あーよかったって」
「あなたいい事したね」という妻の言葉がきっかけでした。
妻は6年前、脳出血で倒れました。
新型コロナウイルスの影響で、今は病室までいくことができません。
「聞かせたいですね。多分帰らんと思う。ここにきたら、この音がええけ」
ひとつ拾えば、ひとつきれいになる、
岩田さんを手伝う、後継者も現れました。
山本泰士くんも、この海が大好きです。
「もっとゴミを捨てる人も少なくなってもっと赤碕の海などもきれいになると思います」
「(なんで綺麗になると思う?)僕たちが一生懸命、岩田さんなども一生懸命掃除をしておられるからです」
この海から教わったたくさんのことをこれからの人にも
「我々せいぜいまあ100年だがんね、生きたところで。みみっちいもんだがんね。それよりも残して子孫こども達やよそから来られた方々に慰んでもらったり不思議がってもらったり、大切さを思ってもらったり色んな気持ちでね、ここに接していただくと、これが大きな財産だと思います」
「あー気持ちがええなあ」
※日本海テレビで制作したものをリメイク。2020年9月放送、「海の神さまの丸い石」より
【the SOCIAL×NNNドキュメントより】
(10/15からhuluにてフルバージョン配信開始)