火災発生…煙の中どう避難?防災施設で体験
首都直下地震が発生した場合、亡くなる方のおよそ7割は火災によると予測されています。火事が起きたら煙の中でどう避難すればいいのか。佐藤梨那アナウンサーが、防災施設で実際に体験してきました。
東京・墨田区にある防災体験施設を訪れました。
佐藤アナウンサー「煙体験コーナーと書かれているんですが、こちらではどんな体験ができるんですか」
東京消防庁・本所防災館 副館長の田村等さん「火災と同じような体験を、煙の体験をしていただく施設でございます」
火災や煙の危険性を学び、正しい避難の仕方を体験できるんです。
佐藤アナウンサー「火災の中で一番怖いものというのは何なんでしょうか」
田村さん「やはり、煙ですよね」
実は、火災で亡くなる人のおよそ40%が、一酸化炭素による中毒死や、煙を吸い込んで呼吸困難となる窒息死なんです。
煙を吸わないように避難するには、どうすればいいのか。人体に害のない気体を煙に見立てて、まずは体験。
田村さん「じゃあ落ち着いてお願いします」
佐藤アナウンサー「では行ってまいります。おお、もうすでに、半分くらい煙が…」
火災発生から初期の段階は、煙の層と空気の層がハッキリとわかれている状態になります。下の空気の層には、まだ煙や有毒ガスがまん延していないので、この層を歩けば安全に避難できます。
佐藤アナウンサー「この煙、本当は熱いんですかね」
実際の火災では、数百度の炎から出る煙も、当然、高温になります。この体勢で移動し続けるのは、大変だなと感じました。
そして、次の部屋へ行くと…。
佐藤アナウンサー「え!何も見えない!え…どうすればいいんだろう」
真っ暗闇の中、手探りでドアを探し、ようやくゴール。
佐藤アナウンサー「私の避難の方法は、点数をつけると何点くらいになりますか」
田村さん「一応、出てこられたんで100点にしたいんですけれども、70点かな」
私の問題点は、最後の暗闇の中で、壁を伝う手を振り回してしまったこと。ケガをする恐れがあるので、片方の手を前に出して、壁伝いに歩くのが正しい方法です。
さらに、避難する方向にも注意が必要です。
田村さん「やはり一番いいのは、地上階に逃げてもらうことが一番いいかと」
煙が上昇する速さは、人が階段を上る速さのおよそ10倍。煙から逃げるのは、困難になります。
佐藤アナウンサー「火災を防ぐために、日頃からどのようなことを行っていけばいいですか?」
田村さん「まず日頃からというと、まず燃えない対策を組むというのが一番だと思いますね」
カーテンやじゅうたんなどは、防炎品を利用すること。また、年に1回は、火災警報器の電池を確認しておくことも大切だそうです。
田村さん「煙というのは火災から発生してますから、熱い、高い温度になっています。薄いから大丈夫じゃなくて、低い姿勢で早い避難をすることが大事だと思います」
※この記事は、2019年9月20日 Oha!4で放送したものです。