体外受精など保険適用 部会でおおむね了承
不妊治療の保険適用について、厚生労働省は、医療保険に関する部会で議論を始め、体外受精などを保険を使って行えるようにする方針がおおむね了承されました。
14日行われた社会保障審議会の医療保険部会では、「不妊」を医療保険上の「疾病」と認め、現在、保険が使えない「体外受精」と「顕微授精」を医療保険の対象とするという方針について、委員の意見を聞いたところ、「負担軽減は必要だ」「保険の対象とすることで不妊治療を標準化することは意味がある」など賛成の声が相次ぎ、おおむね了承されました。
厚労省は、質や価格に大きな差がある不妊治療について、今週から医療機関の実態調査を行っているほか、11月には当事者らの意識調査も行います。
年明け以降、そうした調査結果などをもとに、医療保険部会や中央社会保険医療協議会で、どういった不妊治療を保険の対象とするかについてや、保険の対象とする「標準的な不妊治療」をより高度な治療と組み合わせる場合や未承認薬を使う場合の考え方についてなど、詳細を議論する予定です。
委員からは、「不妊治療の経済的負担が軽減されると、周囲から『子どもを持つべき』といった圧力が懸念されるが、産む、産まないを決める権利はカップルにあることを大切にすべきだ」という意見や、「安全性の担保は必須だ」「経済面だけでなく、心理的支援も必要だ」などといった意見も出されました。
厚労省は、早ければ2022年度からの保険適用を目指して検討を進めています。