袋には「大麻似」合成化合物の名前 “大麻グミ”会社に立ち入り調査も…
“大麻グミを食べた”。こう訴えて病院に搬送される人が相次いでいます。都内の祭りでは、配られたグミを食べた男女6人が体調不良に。袋には大麻の成分に似せて作られた合成化合物の名前がありました。
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公園に立ち並ぶカラフルなテントに集まった多くの人。今月4日、東京都小金井市にある公園で行われていた「武蔵野はらっぱ祭り」で起きたある“異変”とは…
記者
「この公園で、来場者の男性が配ったグミを食べ、男女6人が体調不良を訴えたということです」
捜査関係者によると、グミを配っていたのは、目が不自由でつえをついた40代の男性。祭りに来ていた人に対し、「良かったら食べない?」と言って、グミを配っていたと言います。
この“グミの正体”について新たな情報が。捜査関係者によると、グミの袋には、合成化合物とみられる名前が書かれていたことが新たにわかりました。
薬物鑑定に詳しい専門家によると、この「合成化合物」は、麻薬に指定されている成分に似ていると指摘。警視庁は、“グミ”に違法な成分が含まれていないか、鑑定を進めています。
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グミを配る様子を見たという小学生は、実際、受け取らなかったといいますが…
目撃した小学生
「袋に入れたグミを取って『はいどうぞ』って」
今月4日、実際にグミを食べた10代から50代の男女6人が体調不良を訴え、5人がおう吐などの症状で病院に搬送される事態になりました。
イベントに参加した人
「当日そういう『グミ配っている人がいるからもらわないで』とアナウンスしているのは聞いた。怖いですね。イベントで配られてると、もらいやすいのかな」
グミを配った男性は、現場にかけつけた警察官によって発見され、「普段から自分で食べているもの。おいしかったから配った」と説明したといいます。
「グミ」を食べて体調不良になる人は、その前日にも…。
今月3日、墨田区にある押上駅で、グミを食べた20代の男女4人が病院に搬送されたというのです。この4人が通報で口にした言葉は「“大麻グミ”を食べた」でした。
捜査関係者によると、このグミを製造・販売したのは、大阪市の会社だということですが、その後の取材で、大阪市がこの会社に対し、立ち入り調査を行っていたことが15日夜、新たにわかりました。
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一般的に全国に流通している可能性があるという大麻グミ。渋谷で話を聞いてみると…
大学生(20)
「YouTubeとかTwitter(現X)で聞いたことあります。大麻と一緒で(食べると)大麻吸った後の目の充血とかある(と聞いた)」
大学生(20)
「ネットではたびたび話題になっている感じはあります。SNS上では。見た目はちょっとおいしそうだなと思います」
食べたことがある人はいませんでしたが、SNSで広まるなど、若者の間では多くの人が知る存在に。専門家も「すでに蔓延し始めている可能性が高い」と警鐘を鳴らします。
法科学研究センター 雨宮正欣所長
「グミという形を取っていたりしていると、危機意識が薄れてしまうのが一番危険を感じる。気持ち悪くなったり頭が痛くなったり、そういうことがある。重篤な場合は病院に救急車で運ばれることも」
さらに、“まだ規制されていない”からこその危険性も指摘します。
法科学研究センター 雨宮正欣所長
「何が入っているかわからない。今まで規制されていた薬物よりも強い薬物が含まれている可能性があるのに、みずから人体実験にとびこんでいくような危険な行為だと自覚してほしい。容易に安易な気持ちでこういうものに手を出さない方がいい」
(11月15日放送『news zero』より)