ふるさと納税返礼品“おいしい体験”とは?
今年のふるさと納税の締め切りが来月に迫っていますが、今年は返礼品に変化が起きていました。体験型の返礼品が増えた一方で、思わぬ返礼品に寄付が殺到した自治体もありました。
「年末が近づいてくるとやらなきゃと思って、そうですねそろそろ」「やっぱり普段なかなか食べられないものを選んで、カニとか」
年末に近づくにつれ駆け込みの寄付が増えるふるさと納税。
都内のフレンチレストランではこんな返礼品が登場しました。
エゾ鹿のロース肉をしっとりと焼き上げたメニューや、フォアグラと、さやあかねというジャガイモを黒いたい焼きの生地に練り込んだメニューも。
実はこれ、北海道白糠町(しらぬかちょう)で今月から始めた、地元の食材を多く使った限定のコースメニューが楽しめる、体験型の返礼品なのです。
レストランマノワ 中村豪志オーナー「当店でもコロナの影響は非常に受けているんですが、それ以上に僕らに食材を届けてもらう生産者だったりとか、漁師だったりとか、ハンターさんだったりとかに、もっと還元させてあげたいなと」
新型コロナウイルスを機に日頃、生産者らに支えてもらっていると強く実感。白糠町らと連携し、返礼品を始めたということです。
実は今年、こうした体験型の返礼品が増えているといいます。
ふるなび広報 馬見塚有里恵さん「体験型の返礼品が増えておりまして。今後も増えていく傾向になると」
別の自治体でも、オンラインで動物園を楽しめるモノや、かつおだしの作り方などをオンラインで教えてくれる、ユニークな体験型の返礼品が並びます。
渋谷区役所 総務部総務課長 石井道久さん「どうやったら渋谷区らしい、ふるさと納税制度をやっていけるか検討した結果、モノではなくてコト体験ということで」
これまで返礼品を活用してこなかった渋谷区では、ふるさと納税の税収減もあり今年度から返礼品を開始。
渋谷らしい返礼品として渋谷スクランブルスクエアの展望台、渋谷スカイからの景色が楽しめるモノなど、主に体験型の返礼品を始めました。
一方で納税額が去年よりも10倍以上に増えた自治体も。
相模原市財政局 石井光行局長「パソコンなんかでよく使うキーボード。これを返礼品に加えたところ、非常に反響がございまして」
なんと、キーボード。相模原市では今年2月から返礼品として加えたところ、新型コロナの影響もあってか寄付額が増加。
去年と比べると、およそ1150万円だった寄付額が今年はおよそ1億3900万円に。
その9割近くがキーボードだといいます。キーボードを製造するのは相模原市に事業所を持つこちらの会社。
利用者からは長く使っていても疲れづらいなどとの声が寄せられているといいます。
東プレ電子機器部営業部 山根英宣係長「(Qうれしい悲鳴?)そうですね。ふるさと納税をきっかけに、弊社のキーボードを使っていただければいいなと」
また、返礼品としても人気のおせちについても例年とは違った傾向が。北関東を中心に和食レストランを展開する、こちらのチェーン。
茨城県境町のふるさと納税の返礼品として、おせち料理を提供していますが…。
ばんどう太郎スーパーバイザー 小菅健司さん「昨年の同時期の、12倍のご注文をいただいております。(増えている背景は?)コロナでやはり(正月を)自宅で過ごす方が増えているかと」
予定販売数に達した時点で受け付けを終了するということです。