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東京GoToトラベル 一時停止どうする?

2020年12月1日 20:43
東京GoToトラベル 一時停止どうする?

新型コロナウイルスの感染拡大で、医療機関にも深刻な影響が出始めている中、「GoToトラベル」は今後どうなるのでしょうか。

■重症者数 8日連続で過去最多

まずは東京の感染者からです。12月1日、新たな感染者数は372人となりました。東京の重症者は62人と発表があり、11月30日よりは8人減りました。全国では、11月30日の全国の感染者数は1439人で、26人の方が亡くなったことがわかりました。また11月29日時点の重症者数は472人。前日より10人増え、8日連続で過去最多を更新しています。

■看護師不足で病棟閉鎖 深刻な影響も

大阪では11月30日、重症者が124人と過去最多となりました。コロナ対応にあたる看護師の不足で、深刻な影響も出てきました。

大阪市立総合医療センターが、15歳から30代半ばのがん患者などを受け入れる専用病棟を、12月上旬から一時閉鎖することがわかりました。ここで働く一部の看護師は、コロナの対応にあたります。この病院では、すでに婦人科や整形外科なども病棟を閉鎖して、看護師がコロナ対応をせざるを得ない状況になっています。入院している患者が行き場がなくなったら困るのですが、別の病棟で治療を続けるということです。しかし、これだけ看護師の不足が深刻になっています。これ以上、感染拡大させないために、私たちの行動にかかっています。

■東京のGoToトラベル対応どうなる?

こうした中、焦点となっているのが東京もGoToトラベルの一時停止の対象に追加されるかどうかについてです。これまでは小池都知事と政府でどちらが判断するかお見合い状態が続いていましたが、今は都庁と観光庁で具体的な対応策について、やりとりを行っているということです。しかし、なかなか結論が出ない中、都知事ではなく秋田県知事がこのような発言をしました。

秋田県・佐竹知事「本県なんか、ほとんど東京なんです。行き来は。ですから、東京の状況が影響するということで、早めに東京の扱いを判断していただきたいと思います」「大阪市・札幌市と同じような扱いを、本当はするべきではないかと思います」

佐竹知事によると「秋田県は東京から来るのが8割」ということで、影響が大きいため「早く判断してほしい」と指摘しました。

■GoToトラベルの一時停止 だれが?どう判断?

政府は、都道府県に対して『ステージ3』相当と判断した場合、除外を検討してほしいとしています。では、実際ステージがどうなっているのか見てみましょう。先週金曜日に発表された数値で、最も深刻な『ステージ4』相当のものを赤にすると、とても多いことがわかります。十万人あたりの療養者数は、北海道も大阪も東京もステージ4相当になっていて、東京では重症者の病床使用率が、ステージ4相当になっています。政府は、この指標だけでなく総合的な判断というが、そもそもステージ3相当でGoToの一時停止を検討としています。

■GoToトラベル 現状はどうなっている?

さらに、GoToトラベルの一時停止をめぐっては、最初は「札幌市・大阪市を目的とする」ものだけでしたが、先週金曜日、これらの市から出発する旅行についても自粛が呼びかけられました。ただ、この仕組みがすこし複雑となっています。

札幌市と大阪市を“目的地”とする旅行の場合、12月15日までは「補助なし」ですが、一方、大阪市と札幌市から出発する旅行は、新規予約もすでに予約済みの旅行も、15日まで「補助あり」となっています。自粛が呼びかけられただけで、どちらもキャンセルしようと思えば無料でできますが、対応に違いがあります。どうしてこうなったのか、赤羽国交相はこう話しました。

赤羽国交相「旅行者にキャンセル料の負担がかからないようにする」「こうした措置をとることで、実質的には利用抑制の効果が十分に確保できると見込まれることから、現時点で両市の居住者の域外への旅行について、一律に本事業の適用を停止する必要はないと判断したところでございます」

つまり、無料でキャンセルできるだけでも抑止力があるのではないか、ということです。

■GoToトラベルで東京が対象 影響の大きさは?

一方で、観光庁は11月30日、このような調査結果を発表しました。国内のホテルや旅館に宿泊した日本人の数の推移ですが、10月は3296万人で前年同月比17.2%減、9月は2584万人で36.2%減だったので、大きく改善していることがわかります。GoToトラベルは10月から東京が対象になったことが影響したとみられていて、これだけ影響が大きいので、東京で助かっている人もいることになります。経済との両立を考えると、判断が慎重になっているのです。

「国が判断して」「知事が判断して」…こうしている間にどんどん判断が遅くなり、医療の現場に負担が押し寄せて、通常の医療さえも危うくなる状況になりかねません。実効性のある政策や呼びかけを望みます。

(2020年12月1日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)