×

どうなる東京GoToトラベル

2020年11月24日 21:53
どうなる東京GoToトラベル

11月24日、東京都の小池知事と菅首相が会談を行いました。東京のGoToトラベルはどうなるのでしょうか?
 
■政府関係者「総理は東京を外したくない」・・・知事ら「国の責任で決めるべき」
 
24日、東京では新たに186人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。前日から100人以上減りましたが、入院している重症者は10人増えて51人となり、緊急事態宣言の解除後で最多となりました。 
 
こうした状況の中、小池知事と菅首相の会談が24日、行われました。
小池知事は総理官邸を訪れた際、会談の内容については明らかにしませんでしたが、小池知事は政府が調整を進める「GoToトラベルの一時停止を受け入れるかどうか」について政府の考えを聞いたとみられ、都庁に戻った際には「東京都の情報を共有して、対策を練る必要がある」「国と連携してしっかりやっていきます」と話しました。
 
政府関係者からは「総理は東京を外したくない。『GoToトラベル』が失策だったという証明になってしまうから」という声が聞こえています。また、「東京を外すと、元に戻しづらくなる」という理由もあるようです。
 
24日、コロナ対策担当の西村経済再生相は「最終的には国の事業ですし、国が判断していくことだが、感染状況や病床の状況を最もよく知っている都道府県の知事の意向を尊重しながら、状況を共有して、連携して対応できれば」と述べました。
 
つまり、知事の方から「『対象を一時停止してほしい』と言ってきた場合に国は判断する」としていますが、知事としては、GoToトラベルで観光産業が助かっていることもあり、自ら外してほしいとは言いづらく、「都道府県に丸投げせずに国の責任で決めるべき」としています。どちらも責任とりたくないという構図が見え隠れしていますが、現場からすると早く判断してほしいという思いがあります。
 
 
■大阪市と札幌市は「GoToトラベルの一時停止」容認
 
このような中、GoToトラベルの一時停止を容認する発言をする知事も出てきました。
大阪府の吉村知事は23日、大阪府全体ではなく「大阪市内を目的地とする旅行」についてのみ、停止にするよう国に求めていくことを明らかにしました。また北海道の鈴木知事も、札幌市に限定することを条件に一時停止を容認する考えを示しました。これを受けて西村経済再生相は、「大阪市と札幌市を目的地とする旅行」について、早ければ11月24日中にも一時停止することを決定すると述べました。
 
そこには、医療がひっ迫している地域もあり、できるだけ早く決断をした方がいいという考えがあります。また、停止期間が3週間と明言しているため、もし24日に停止の決定がされれば、クリスマスや年末年始はギリギリ停止期間にかからないことになります。
 
■一時停止の対象は? 予約済みの旅行はどうなる?
 
一時停止となった場合、大阪を例にすると、「大阪市を目的地とする旅行」なのか「大阪市を出発地とする旅行」なのか、
それとも「両方」なのかと、対象について疑問が生じます。この疑問について、GoToトラベルの責任者である赤羽国交相は、「今回、一時停止の対象となるのは『目的地』であり、『出発地』は該当しない」と説明しています。大阪市を出て旅行する人は、今後もGoToトラベルの割引を使えることになります。 
 
一方、新規の予約と、すでに予約したもの、どちらもGoToの一時停止の対象になります。割引が受けられないとなるとキャンセルが発生し、そのキャンセル料が問題となりますが、赤羽国交相は「旅行者に負担がかからないようにする」、また事業者には「旅行代金の35%に相当する額を国の予算で負担する」としています。
 
 
■連休の観光地の人出は増加 一方東京は減少
 
23日までの3連休は、観光地ではかなりの人出が見られたところもありました。携帯電話の位置情報の解析によると、連休最終日の観光地の人出は、前の週の日曜日と比べて、神奈川の箱根で22.8%増、京都・嵐山で5.2%増、沖縄・国際通りで33.6%増となりました。その一方、東京都内では、浅草駅で13.2%減、銀座駅で14.6%減など、感染拡大が続く影響なのか、人出は軒並み減りました。(提供:Agoop)
 
こうした中、全国でも22日の時点で重症者が331人と過去最多になりました。これまでは緊急事態宣言が出されていた4月30日の328人が一番多かったのですが、それを上回りました。 
 
田村厚生労働相は24日の会見で「今、十分に病床が空いているところも、1~2週間で埋まる可能性がある」と一部の地域で病床の確保が厳しくなっているとし、警戒感をあらわにしました。GoToトラベルを止めるにも、大きな痛みも伴いますので、現場への影響を最小限に食い止めるにも、すみやかに決断してほしいと思います。 
 
(2020年11月24日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)