あす「沖縄慰霊の日」 戦没者24万人以上の名前読み上げ…「戦争止めたい」参加者の思い
6月23日は、79年前の沖縄戦で、旧日本軍の組織的な戦闘が終わったとされる「沖縄慰霊の日」です。戦争の記憶が薄れゆく中、戦没者24万人余りの名前を読み上げる取り組みが広がっています。
22日、沖縄戦最後の激戦地となった糸満市摩文仁。一人ひとり、読み上げられるのは、沖縄戦などで命を落とした人々の名前です。
戦没者の名前を刻む平和の礎(いしじ)。今年は181人増え、24万2225人になりました。全員の読み上げに必要な時間はのべ240時間以上。取り組みは今月1日から始まっていました。
今月11日、那覇市でも住民らが地域の戦没者の名を読み上げました。各地で行われた読み上げには、今年は約5500人が参加。オンライン上でリレーされ、全世界へ発信されています。
参加者「(沖縄戦などで)24万人亡くなったというのは知っていたんですけど、一人ひとりのことを理解して、自分も読めたらなと思って、参加しました」「どういう思いで亡くなったのかなとか、この方々(戦没者)が発信している気持ちって、平和への思いだよなとか、そういう思いがわき上がりました」
今年で3回目となる読み上げの中心メンバーの町田直美さん。始めたきっかけは、ロシアによるウクライナ侵攻でした。
町田直美さん「沖縄戦は本当にもう、地獄を何度も見たというぐらいの戦争の実相を表しているものだと思っているので、それを世界に発信することで、どうにか戦争が止められたらいいなという、沖縄の思いを、やっぱりもっと世界に発信しなきゃだめなんだと」
平和の礎に刻まれた名前は軍人か民間人かを問わず、また国籍や敵味方の区別もありません。沖縄戦で亡くなったアメリカ兵らの読み上げにはアメリカからの参加もありました。
この日、平和の礎の前に「平和学習」で参加した沖縄の中学生。地元の戦没者の名前を読み上げました。
参加した中学生「名前一人ひとりっていうのは、やっぱり重いじゃないですか。命って重いものですし。数で出されるより、数字で出されるより、一人ひとり(の名前)を出されることで、そういう重みがわくのかなと思いました」
久場小百合教諭「読み上げるという行動を起こすことが、さらに、子どもたちの何か、これから自分たちが平和に向けて行動する一歩になればいいなと感じています」
平和への祈りを込め戦没者の名前を呼ぶ声が響く中、沖縄は23日、「慰霊の日」を迎えます。