救急車が次々…コロナ禍の病院 命守る戦い
ちょうど1か月前、感染者数は1940人でしたが、24日は3739人とおよそ2倍にまで拡大し、過去最多を更新しました。その1か月間、医療現場が直面した命を守るための戦いです。
午前7時すぎ。東海大学医学部付属病院の高度救命救急センター。
看護師「救急車が着くので、それが来たらレントゲンとCTを撮って上にあがるかたちになります」
主に新型コロナの重症者に対応する病院として、今年2月から、およそ80人の患者を受け入れてきました。
搬送されてきたのは、新型コロナに感染し、他の病院に入院していた72歳の男性。重症化したため転院してきました。この病院にある重症者用のベッドは10床です。
今月、救急搬送が増加傾向になりました。救急車には防護服を着た人の姿が。搬送されてきたのは、新型コロナに感染した50代の男性。
同時にもう1台の救急車が到着しました。乗せているのは腸閉塞の患者です。感染者を乗せた救急車と横付けに。
さらにもう1台の救急車が――
乗せているのは大動脈瘤破裂の患者。すぐに手術が必要です。
新型コロナ患者の受け入れとの両立。救命救急は、限界を迎えようとしていました。
今月12日には、全国の感染者が初めて3000人を突破。重症者も過去最多を更新しました。
その頃、東海大学医学部付属病院に入院している40代の男性は、人工呼吸器を装着したものの症状が改善せず、一時、心肺停止に陥ったため人工肺(=ECMO)を着けていました。
男性の入院期間は既に1か月。床ずれを防ぐため、体を横向きにする看護師は4人がかりです。いま国内の重症者数は、連日のように過去最多を更新。
東海大学医学部付属病院 高度救命救急センター・守田誠司所長「患者を退院させても、またすぐに入ってくる。また退院させても、また入ってくるというような、ほんと自転車操業のようなギリギリの状況でやっています」
増え続ける重症患者。このセンターでは、命をつなぐ最後の砦となるECMOの新たな課題に直面しています。
守田所長「ECMOは、自分1人でやったことがあるという医師が、結構少ないのが現状です」
第3波の中、病院ではECMOの講習会を実施。早急にECMOを扱える医師を増やさなければなりません。
この病院では、年末年始の人員を通常の2倍程度に増やし、感染拡大に備えるといいます。しかし、重症者用のベッドは25日の時点で残り1床に。
守田所長は「緊急事態宣言の時のように、少し緊張感を持って、個人個人が感染防御を意識してもらうのが、今後の一番の対策になると思います」と話しました。