長引くコロナ禍で卒業式や観光は… “工場閉鎖”でゴミ袋も欠品の恐れ
まん延防止等重点措置をめぐり、政府は東京や大阪など18都道府県について延長する方針を固めました。長引くコロナ禍で、意外な物にも影響が出ています。
◇
2日から春休みに入った東京・品川区にある青稜中学校・高等学校。体育館には、マスクをしながら部活動をする生徒たちの姿がありました。
この体育館では、1週間後の今月10日、高校の卒業式が予定されていますが、体育館では新型コロナウイルス対策で、在校生や保護者の参列はなしになりました。
青稜中学校・高等学校 青田泰明校長
「子供たちは卒業生だけ。保護者の方は基本的にご参加いただかない。少しコンパクトな対応になるかなと」
卒業証書の授与などで壇上に上がる生徒も代表者のみにするなどして、時間を短くするといいます。
ただ、晴れの姿をみてもらう取り組みも進めています。
青稜中学校・高等学校 青田泰明校長
「(保護者は)こういった教室の中で、リモートでご覧いただくような形で今考えています」
体育館にカメラを設置し、教室のプロジェクターで卒業式を生中継します。リモートで保護者の方々に子供たちの巣立ちの時を見守ってもらうということです。
◇
こうした中、3日、東京では1万2251人の感染を確認しました。先週木曜日の2月24日から2082人増えています。
感染状況などを分析する会議では――
国立国際医療研究センター 国際感染症センター長・大曲貴夫医師
「年度末前後のイベントによる人の移動の増加、そしてオミクロン株BA.2の影響で、もし増加比が上昇すれば、感染が再拡大する恐れがある」
首相官邸では、3日午後4時半ごろから、まん延防止等重点措置について、岸田首相と関係閣僚との協議が行われました。
政府は病床使用率の高止まりが続く東京や大阪など18都道府県について、今月21日まで期限を延長する方針を固めました。一方、感染状況の改善がみられる広島や福岡など13県は、今月6日で解除します。
◇
“まん延防止”が適用されていない沖縄でも1日、約1か月ぶりに1000人を超える感染を確認しました。
感染収束の兆しがみえない中、沖縄市にあるバス会社では――
中部観光バス 執行役員常務・池原一成さん
「まん延防止が(先月20日で)あけたにもかかわらず、バスはほとんど休業状態」
首都圏や関西圏などからの修学旅行での利用が多いという「中部観光バス」。先月20日で沖縄県の“まん延防止”が解除されて以降も、修学旅行客などのキャンセルが相次ぎ、回復の兆しがみえないといいます。
中部観光バス 執行役員常務・池原一成さん
「(首都圏などでまん延防止が延長されれば)来週、再来週に(予約が)入っている学校、団体がこのまま沖縄に来てくれるかなというのが、とても心配ですね」
◇
そして思わぬ影響が出ているのが新潟市です。新潟市が指定する燃やすゴミ用の袋は、5リットルから45リットルまで5つのサイズがありますが、このうち20リットルサイズの袋が欠品になる恐れが出ています。
新潟市 廃棄物対策課・南雲洋子課長
「ベトナムの工場の方で作っていただいていますが、(感染拡大で)工場の方もいったん閉鎖した期間があったと」
新潟市によりますと、20リットルサイズのゴミ袋を製造するベトナムの工場が、コロナの影響で一時閉鎖になったということです。
工場再開後もこれまでの稼働率には戻らず、今月10日が納期だった330万枚のゴミ袋が納品されない事態となり、今月中旬から店頭で品薄となる可能性があるといいます。
長引くコロナ禍の生活で影響が様々なところに広がっています。