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【解説】藤井六冠が初の“海外対局”…狙いは「将棋の普及」 日本人の活躍…歌舞伎は「旅する大使館」

2023年4月25日 22:23
【解説】藤井六冠が初の“海外対局”…狙いは「将棋の普及」 日本人の活躍…歌舞伎は「旅する大使館」
将棋の藤井聡太六冠(20歳)が、6月に初めて海外で対局を行うことが発表されました。なぜ、わざわざ海外で将棋のタイトル戦を行うのか、その狙いをみていきます。

◇海外対局 始まりは
◇歌舞伎は“旅する大使館”
◇あの芸人が大ウケ

以上の3点について詳しくお伝えします。

■藤井六冠の初の海外対局…舞台はベトナム 47年前から続く歴史

藤井六冠の初の海外対局の舞台は、ベトナムのダナンの「ダナン三日月」です。千葉県などに展開するあの有名ホテルが去年開業したスパリゾートで、プールや温泉、レストランなどのリゾートがベトナムで楽しめます。

ここで行われるのは、藤井六冠が4連覇を目指す「棋聖戦」五番勝負の第1局です。藤井六冠に挑む挑戦者は、初のタイトル挑戦となる佐々木大地七段(27)です。「藤井棋聖と指せるのが楽しみ」と話しています。

この「棋聖」のタイトルは、藤井六冠にとって史上最年少、17歳11か月で初めて獲得したタイトルで、その後、連覇をし続けています。ベトナムの地でフレッシュな挑戦者とどんな戦いが繰り広げられるのか楽しみです。

対局はもちろんですが、その合間の「おやつ」もベトナムのものを選ぶのかなどが注目されます。

この将棋の公式戦をなぜわざわざ海外で行うのか。25日に日本将棋連盟に確認したところ、「将棋の海外普及のため」ということでした。世界的にみると、チェスなどと比べて将棋人口はまだまだ少ないのが実情です。「少しでも多くの海外の人に、将棋の楽しさを知ってもらいたい」ということでした。

実は、海外対局の歴史は結構長く、最初は今から47年前の1976年、「棋王戦」で場所は「ハワイ」でした。それ以降、女流戦を含めて「ニューヨーク」や「ロサンゼルス」「ロンドン」「パリ」「ソウル」「北京」「上海」など、全部で24回行われてきました。海外で将棋の公式戦が行われるのは、2019年以来、約4年ぶりのことです。

■藤井六冠 語学は“さっぱり”?

ただ、藤井六冠には、ちょっと不安なこともあるかもしれません。2年前に国際大会の優勝者の台湾の高校生とオンラインで対局したとき、藤井六冠は「私自身、現状、語学はさっぱりなんですけど…」と話していました。

当時は、英語は苦手だったみたいです。それでも海外を含めた将棋の普及への思いは強く、「海外の方も含めて、多くの方に将棋を知って、関心を持っていただきたい」「プレーヤーとして頑張るだけでなく、長期的にはそういう視点を持って活動したい」と話しています。これからますます活動の幅が広がるかもしれません。

■相撲は明治時代から海外で巡業 歌舞伎は“旅する大使館”とも

日本の伝統を広めるため、海外での活動に力を入れてきたものはたくさんあります。

たとえば、大相撲は「海外巡業」などを行ってきました。その歴史は将棋よりも古く、明治時代の1905年、今から118年前に始まったそうです。最初は「朝鮮・満州巡業」で、4か月間にわたって行われました。その後、戦後は「ハワイ」を中心に何度も行われています。将棋も最初の海外対局の舞台はハワイ。詳細はわからないですが、ハワイは日本人の移民も多くて開催しやすいこともあるのかもしれません。

海外巡業の狙いを日本相撲協会に聞いてみたところ、やはり、「伝統ある日本の国技・相撲を海外に紹介し文化交流を図り、国際親善に寄与することが目的」ということでした。

相撲と同じくらい海外公演の歴史が古いのが歌舞伎です。歌舞伎を手がける松竹によると、最初の海外公演は1928年、今から95年前だといいます。場所は当時の「ソ連」でした。

どれほど現地の人に受け入れられるのか危ぶまれたそうですが、このときは予想を上回る成功を収めたそうです。2005年に行われたアメリカ・シアトルでの公演では、ほぼ満席となりました。関心の高さが伝わってきます。

これまで多くの国で公演が行われ、歌舞伎は“旅する大使館”として、文化の面での国際交流に大きな役割を果たしています。

■安心してください、イギリスでもウケましたよ

さらにもう一つ、日本を飛び出して果敢にチャレンジをした結果、“あのネタ”が大ウケしました。

イギリスの人気オーディション番組「Britain's Got Talent」に登場したのは、「安心してください、はいてますよ」でおなじみの「とにかく明るい安村」さんです。英語で“あの鉄板ネタ”を披露しました。

最初のネタは、「サッカー選手の裸のポーズ」。音楽と手拍子に合わせてサッカー選手がシュートを打った瞬間のポーズをとり、蹴り上げた足で自身のパンツを隠し、まるで裸に見える状態になりました。そしてポーズを解き、マイクを持って「Don't worry, I'm wearing.(安心してください、はいてますよ)」というと、会場の観客や審査員が大ウケしていました。

会場はとにかく大盛り上がりで、審査員からは「天才!」「今までの出場者で1番好きかも!」などとべた褒めされていました。日本のお笑いも海外の人に楽しんでもらえました。

   ◇

日本文化が海外でも評判を呼んでいる様子に、私たち日本人も勇気をもらえます。まずは、6月にベトナムで行われる棋聖戦が世界を魅了する戦いとなることを期待します。

(2023年4月25日午後4時半ごろ放送 news every.「知りたいッ!」より)