霊園で墓の供花なくなる…防犯カメラには「シカの群れ」 人間と“知恵比べ”続く
福岡・篠栗町の霊園では、数年前から墓に供えられた花がなくなる被害が相次いでいました。何者かによる「いたずら」なのか…と設置した防犯カメラに映っていたのは、シカの群れでした。
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福岡・篠栗町のささぐり極楽霊苑には、「お供え物の花がちぎられている」と数年前から相談が相次いでいました。
今年3月に撮影された写真を見ると、墓に供えられた花の片方は茎だけになっていて、花の部分がなくなっていることがわかります。去年の冬から今年の春先にかけて、十数件の被害がありました。
何者かによる「いたずら」なのか…防犯カメラを設置すると、そこに映っていたのは、夜明け前の霊園内を徘かいするシカの群れでした。警戒しているのでしょうか、周りをキョロキョロと見渡しています。こうした映像が決め手となり、お供え物の花がシカに食べられていることがわかりました。
ささぐり極楽霊苑 上戸浩介さん
「ご先祖さまに供えたお花ですから、動物のすることだが、非常に残念なこと」
霊園はこれまで、侵入ルートとみられる場所に柵を設置し、シカが嫌がる薬剤もまき、対策をとってきました。しかし、シカは入り口を変えて侵入してくるなど、人間とシカの「知恵比べ」が続いています。
ささぐり極楽霊苑 上戸浩介さん
「篠栗町では企業誘致が進み、山だったところに産業団地ができている。従来、餌場だったところがなくなり、たまたま霊園に花があることをシカが気がついて、侵入してきたのでは」
霊園から相談を受けた篠栗町は、シカが嫌がるレーザー光を照射する機器を、この冬にも試験的に設置するということです。