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弁当から見える変化“緊急事態”で暮らしは

2021年1月26日 10:20
弁当から見える変化“緊急事態”で暮らしは

緊急事態宣言のもと我慢を強いられる日常が続きますが、食事を提供する店や訪れる客の生活に、変化が表れています。売上が伸び、安く販売できるようになった弁当店や、近隣店とタッグを組んでテイクアウトに活路を見出す飲食店を訪ねました。

■「緊急事態」で…弁当店に行くワケ 

25日午後8時ごろ、都内の弁当店では、距離を取りながら弁当を選ぶ人たちの姿がありました。

こちらの店では、緊急事態宣言前と比べて夜8時以降の客が5割ほど増えたといいます。

――どういった弁当を?
会社員(30代)「ハンバーグとコロッケです。やっぱりお酒とか外に飲みに行く機会が減っているので」

弁当店の店主「(時短要請で)食べるところがなくなってしまったので、巣ごもりとしてうちを利用していただいているということになると思います」

緊急事態宣言下、求められる我慢の生活。弁当店を取材すると、訪れる人たちの生活の変化が見えてきました。

■“テレワーク”で外出手控え

午後4時、店内には忙しく弁当を並べるスタッフの姿がありました。5時になると、少しずつ客が入り始めます。

弁当を購入した自営業(44)「牛カルビ弁当ですね。4人前くらい入っているので。帰って夜食べようかと。みんなで。外食が減ったので、助かりますね、お弁当屋さんは」

外食を控え、大盛りのカルビ弁当を自宅で。息子たちも喜んで食べたということです。

弁当を購入した主婦「(夫が)結構テレワークをしてたりするので。あまり外に出なくなっちゃったので久々にお弁当屋さんに来た」

その弁当にも、緊急事態宣言で変化が起きています。

■安く販売 売上は前年の“倍以上”

畑下由佳アナウンサー「大きく『300円』と書いてありますね。いろんな種類がありますし、一つ一つかなり中身が詰まっているような」

なぜ、弁当を安く提供できるのでしょうか。

弁当店の店主「今だと居酒屋さんとかが営業できなかったりで(卸売業者の)食材が余ってしまうんです。卸売業者から『大量に仕入れてくれるならこの価格でどうですか』と」

食材を余らせたくない卸売業者から、安い価格で仕入れさせてもらっているといいます。

午後6時、店内には多くの客が入り始め、9時前になっても、客の流れは変わりません。

――売り上げは例年に比べてどれくらい変化している?

弁当店の店主「今月で言うと(前年の)倍以上になっています。スタッフの生活もありますし、僕の生活もあるのでありがたいですけど、商売仲間の居酒屋やレストランをやっている人のことを思うと複雑ですね」

■近隣店の料理選んでテイクアウト

一方、テイクアウトに注目した新しい取り組みも。

都内のフライドチキン専門店。時短営業で8時に店を閉めると、「お願いします」と近所の飲食店の人たちが集まってきました。次々に料理を置いていきます。

フライドチキン専門店「色々なお店のものを選べてテイクアウトで自宅に持って帰れる取り組みを行っています。一番うちが駅から近いところにあるので」

駅から一番近いこの店に近隣7つの飲食店の料理を集め、テイクアウトしてもらう取り組みを始めました。

立ち飲み店「飲み屋となると、午後7時ラストオーダーだと飲みに来ないので。平日はこっち(テイクアウト)の方が売り上げがすごい良くて、助かっています」

串カツ店「厳しいですけど、ここのかいわいの店は仲がいいので、横のつながりで、こうやって協力してやっていこうっていうのは、いいと思います」

(1月25日『news zero』より)