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気象データを 服・豆腐・アイスなどに活用

2021年1月26日 19:51
気象データを 服・豆腐・アイスなどに活用

気温がころころと変わりやすい日が続いています。そうした中、アイスクリーム工場では、気象予測で生産量を調整し、よりおいしくする工夫をしていました。

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26日は広い範囲で、3月中旬から4月上旬並みの春の暖かさとなった日本列島。生活と密接に関わる気温などの気象データをビジネスに活かす取り組みが広がっています。

30以上のブランドを展開するアパレルメーカーでは――

アダストリア デジタル化推進部・梅田和義部長「お客様が購入いただく活動においてですね、天候データもしくは気温データというところが大きな要因になりますので、そちらのデータを活用しております」

気温差や季節で売り上げや商品が大きく変わる洋服。店舗の在庫や、売り場の作りを変更するために気象データを活用しているといいます。さらに――

アダストリア・梅田部長「(今後は)AIの需要予測、こういったもののインプットのパラメーターとして活用することを計画しています」

気象データをAIに取り入れることで、さらに正確な販売予測を立てていく予定だということです。

そのもととなる、気象データを提供しているのは日本気象協会。

日本気象協会・小越久美さん「気象データを使って商品の需要、どれだけ売れるか売れないかを予測することで、製造計画の最適化をサポートするコンサルティングを行っています」

提携する企業に対し、気象データをもとに算出した販売予測を提供。この予測を活用すれば様々な業種で廃棄ロスや、欠品を減らして売り上げの向上につなげることができるといいます。

日本気象協会・小越さん「気象予測を使うことで未来をみて計画を立てられるようになったと、前を見ながらの運転ができるようになったというお声をいただいています」

この取り組みは広がりを見せ、現在は70社と提携。その内の一社である豆腐の製造・販売を行うメーカーでは――

相模屋食料・鳥越淳司代表取締役「豆腐という商品自体が気温の寒暖差で食べていただいたり、食べたいなーって思っていただいたりだとか出荷数が全然違うんですね」

夏は冷ややっこの需要が高まり、冬は揚げ豆腐の需要が高まるなど、季節や気温に大きな影響を受けるため、日本気象協会とタッグを組み、気温の寒暖差やSNSの投稿などを分析し、独自の「豆腐指数」を作成。製造量の目安にしているといいます。

相模屋食料・鳥越代表取締役「注文を受けた数と(豆腐指数で)予測した数で受注の精度自体は誤差1%くらいには低減できていますので、ものすごく効果は出ていると思っています」

以前は担当者の経験と勘で製造量を決めていたため、需要とズレが生じましたが、現在は予測の精度が向上し、食品ロスを大幅に減らすことができたといいます。

また、暑い日には需要が高まるアイス。アイス自体は長期保存が可能な商品ですが――

森永製菓 物流部・新谷秀夫さん「『チョコモナカジャンボ』の一番のポイントとしてはモナカのサクサク感というものがあるので」

この商品の魅力といえば、口に入れたときのサクッとした食感。食感を保つために必要なのが鮮度だといいます。

森永製菓 物流部・新谷さん「時間がたってしまうとアイスクリーム自身が水分なので水分自身がモナカに逃げてしまいモナカがふにゃふにゃになってしまうので、製造から5日で工場を出荷させるよう運用しています」

製造量が多すぎると、保管する期間が長くなり食感が落ちるといいますが、気象データを活用し、需要に合った量を製造することで販売までの期間の短縮に成功。サクサクの食感を損なうことなく提供できるといいます。

また、この企業ではゼリー飲料にも気象データを活用。品薄を避けることで売り上げアップに貢献しているということです。

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