病床確保へ地域一丸 八王子の新“ルール”
■転院できず…ルール作り回避へ
コロナ患者の治療にあたる、東京医科大学八王子医療センター。今、新たな取り組みが始まっています。深刻化する病床不足解消のため、八王子市で広がる連携とは――
東京医科大学八王子医療センター 池田寿昭病院長
「『10daysルール』という形で、発症してから10日たてば、症状がなく病態が落ち着いていれば他院に紹介します」
コロナは発症から10日たてば人への感染力が落ちるとされ、厚労省の退院基準の1つとなっています。
そこでこの病院では、発症から10日以上経過し、症状が回復したもののリハビリなどで自宅に帰れない患者を、別の病院や介護施設に受け入れてもらうよう呼びかけています。これで病床を確保し、増え続けるコロナ患者に地域全体で対応しようというものです。
■理解進み…受け入れ施設増
医師「大丈夫だった?」
車いすに乗る90代の女性。一時、重症でしたが、無事回復しました。
看護師「エレベーター乗りますよ」
発症から10日以上がたち、市内の別の病院に転院することに。女性がいた病室では、看護助手2人がベッドの片付けをしています。
これでまた1人、新たな患者の受入れが可能になります。
現在、6人の重症者を含む45人ほどのコロナ患者が入院している八王子医療センター。
池田病院長
「新しい患者さんを受け入れなくてはならないという使命を持った病院でもありますから。当初は近隣の病院も施設も、(10日での受け入れに)100%アグリ―(同意)という施設はたくさんなかったんですが、皆さんに理解していただいて、今は受け入れる病院、医療機関は増えてきています」
■連携へ 市内の民間病院も協力
同じ八王子市にある民間病院は――
陵北病院 田中裕之院長
「受け入れる方針でいます。用意しているベッドは、もともとコロナ感染症患者が(院内で)発生した場合に使おうと思っている部屋があります。(受け入れる人は)アフターコロナで特別扱いではありませんが、一度、そこに入ってもらおうかなと」
田中院長は「『(発症から)10日間たてば感染症がないから退院基準』と世界的に決まっていることですから、それに従って回していかないと社会が止まる」と力を込めます。
八王子医療センターの池田病院長は「重症患者数が減るというのは、そう簡単じゃないと思います。医療連携を取りながらやることが重要かと思います」と話しています。
(1月29日『news zero』より)