収入減のひとり親家庭…進学で「Wパンチ」
コロナ禍で厳しさが増す、ひとり親家庭。緊急事態宣言が長引き、多くの家庭が収入減に見舞われる中、準備費用がかさむ進学シーズンを迎えます。食品配布やランドセル寄贈などの支援に加えて、さらなる後押しが求められます。シングルマザーに聞きました。
■進学で「厳しさ」さらに…支援は
コロナで、より苦しい状況が続いているのが、ひとり親家庭です。
4人の子どもを育てるシングルマザーに話を聞きました。
「正式に(勤務していた)事業所を引き払います、ということになりまして、今、仕事がありません」
日本のビジネスを海外に紹介する仕事をしていましたが、コロナの影響で海外へ行けなくなり、経営が困難に。去年5月ごろから就職先を探していますが、厳しい現実がありました。
シングルマザー(50代)
「『ちょっと年齢が』って言われたり。『子どもが病気になったらどうするの?』『誰か頼れる人はいるんですか?』ということはよく聞かれます」
畑下由佳アナウンサー
「どうやって生活されている状況でしょうか」
シングルマザー
「詰められるところは全部詰める、です。不要品をオークションサイトで売ったりとか」
そこで活用しているのが、ひとり親家庭に食品を配布するNPOの支援です。その登録者は、前年と比べ約4.2倍に増加しています(グッドネイバーズ・ジャパン調べ)。
■追加給付を…支援団体が国へ要望
こうした中、ひとり親家庭を支援する団体「ひとり親交流サークル エスクル」は9日、国に対し、ひとり親や低所得の子育て世帯に向けた追加の給付金の支給を求め、「緊急要望書」を提出しました。
ひとり親支援協会・代表理事
「(緊急事態宣言と)春、進学シーズンというWパンチの状況ですので、継続して支援してほしい」
同協会の調査によると、コロナの影響で73%を超えるひとり親家庭で収入が減少しています(見込みを含む)。「入学費用や制服などのまとまった高額な費用がかかる」と、不安の声も寄せられています。
話を聞いたシングルマザーも、「高校生になる子どもがいるので、(支給された給付金は)入学の準備に当てさせていただこうと思っています。なかなか難しいですよね、これだけ長く厳しい状況が続くと…」と頭を抱えています
■かさむ入学費用…ランドセル配布も
こうした問題を解消しようと、ランドセルを配布する団体もあります。
「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」は、1月時点で2021年度入学用に112個を寄贈しました。
ひとり親家庭への支援が求められる中、シングルマザーは、こう願っています。「コロナ禍でもっと深刻になってきたなって思いますけど、どうしても支援が必要だったりとか、助けが必要な時に、声が上げられない。いろんな人のことを思いやれるようになっていってほしいなと思います」
(2月9日『news zero』より)