給付金事業で圧力 公取委、電通に「注意」
公正取引委員会は、広告大手の電通社員が新型コロナの給付金事業で、下請け会社に圧力をかけたことが独占禁止法違反につながるおそれがあるとして、電通を「注意」しました。
公正取引委員会によりますと、問題になったのは今年5月、電通の管理職の社員が「家賃支援給付金」に関する入札をめぐって下請け会社などに対し、電通と競合する他の会社からの委託を受けないよう口頭やメールで圧力をかけた行為です。
電通は、当時「持続化給付金」に関する業務の一部を請け負っていましたが、この社員は給付金事業に関する電通のノウハウが、下請け会社を通じて他の会社に流出するのをおそれたということです。
公正取引委員会は、「不正な手段だった」とする一方、取引に支障があったとは言えないとして、電通に対して行政指導よりも軽い「注意」にとどめました。
電通は問題の社員はすでに処分したうえで、「注意を厳粛に受け止めております」「再発防止のため社員教育の再徹底を図って参ります」とコメントしています。