ため池で魚が大量死…強烈な異臭 いないはずの魚がナゼ? “釣り禁止”も… 茨城・小美玉市
茨城・小美玉市のため池で、魚が大量に死んでいるのが発見されました。大量の死骸による異臭は、住民の生活をおびやかすほどでした。発見されたのは本来、そのため池にはいない魚だといいます。なぜ、いないはずの魚が死んでいたのでしょうか。
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大量の魚の死骸が見つかったのは、茨城・小美玉市のため池です。21日朝に撮影された写真では、水面に魚の死骸がたまり、池の一部が白くなっていました。
この日の午後、ため池では死骸を網で回収する人たちの姿が見られました。
作業員
「午前中で約1トン。先週金曜日に1回、(魚の回収を)やりまして。台風が来てたので間をおいて、きょう」
16日と21日の2日間で回収した死骸は、3トンにものぼるといいます。この死骸、見た目以上に問題なのが、ツンとくる強烈な異臭です。近くに住む人は――
近隣住民
「腐敗臭がしたので、生臭い臭いですよね」
「臭いがひどくて、洗濯物を表に出すと、みんなうつっちゃう、臭いが。うちはコインランドリーに行く」
大量の死骸は、住民の生活をおびやかすほどの異臭を放っていました。
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市によると今月1日、ため池の護岸工事で水を抜き始めたところ、大量の魚の死骸を確認しました。「強烈な異臭がする」と住民からの苦情が相次ぎ、処理に乗り出しました。
見つかった死骸の多くは、コイやブラックバスなど“川や湖でよくみかける魚”です。しかし、このため池は川や湖にはつながっておらず、こうした魚が入り込むことはありえないといいます。
なぜ、大量に魚の死骸が見つかったのでしょうか。ため池の管理人は――
水利組合 井神久雄組合長
「基本的には“釣り禁止”なんですけど、“釣り人”がだいぶいたので、ほかから(魚を持ってきて)リリースした、放したのが増えたという状況だと思う」
ため池の近くには大きな湖など、いわゆる“釣りスポット”が多くあります。管理人によると、そこで釣った魚を釣り人が持ち込み、この池で魚釣りを楽しむために放流した可能性があるということです。池には釣り人が作ったとみられる足場もあり、近くにはルアーも落ちていました。
水利組合 井神久雄組合長
「もう少しきちんと、釣り人が入れないように対策する方法しかないよね」
市は死骸の処理を急ぐとともに、“池には近寄らないでほしい”と呼びかけています。