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河野大臣に聞く“ワクチン”時期は(前編)

2021年2月18日 11:13
河野大臣に聞く“ワクチン”時期は(前編)

確保量や情報が限られる、コロナワクチン。先行接種が始まった17日、河野太郎ワクチン接種担当相が『news zero』に生出演しました。最前線から寄せられた疑問と合わせ、有働由美子キャスターが時期の見通しや、配分の工夫、気になる副反応などを聞きました。

■高齢者接種 「4~6月ごろに2回」

有働キャスター
「ワクチンについて、各地の保健所などから疑問や質問を多く預かっていますので、河野大臣にぶつけていきます。まず一番気になるのが、私たちはいつ接種できるのかということです。17日から始まったのが、医療従事者4万人への先行接種。続いてそのほかの医療従事者(370万人)、4月からの高齢者(3600万人)、基礎疾患のある人(820万人)が順次接種する予定です。16歳以上で基礎疾患のない人への接種は、東京オリンピックの開会式がある7月23日より前から始まりそうか、それとも随分と後になるのでしょうか」

河野大臣
「高齢者の方々への接種を、『2か月と3週間で2回打ち切る目標で計画を立ててください』と自治体にお願いをしています」

有働
「4月~5月の間にできそうだということですね」

河野
「そうですね。4月のどこかでスタートしますので、5月~6月ぐらいで2回打てるような計画を作っていただこうと思っています。一方で、ワクチンの供給量がどうなるか。今ファイザーの生産能力とEUの(域内で生産されたワクチンの輸出量を許可制にする)『透明化メカニズム』で承認をもらわなければいけないため、供給がどうなるかがまだ少し固まっていないところがあります。もう少したつと、高齢者の2回接種が終わる時期がどれぐらいかが見えてきます。それが終わると、基礎疾患のある方を含め一般の方ということになるので、もう少しお待ちいただければと思います」


■輸出承認から数日~1週間で到着

小栗泉・日本テレビ解説委員
「ワクチンが届くまでの流れを整理します。ワクチンを製造するファイザーは、増産をするために一時的に生産量を減らしていて、契約の合意があるとはいえ、いつどれだけを日本向けに供給するかが不透明です。さらに世界中でワクチンが求められているため、EUでは、どこの国にどれだけ輸出するか、加盟国にお伺いを立てる仕組みを取ることになりました。そのため日本への輸出の了承がいつ取れるか分からない状況です。日本に到着後は、医療機関などの接種会場に配送されますが、まず都道府県ごと市町村ごと、医療機関ごとに分配量が決められます。EUが日本への輸出を認めてから、実際に日本に届くまでの期間ですが、1週間程度とみてよいでしょうか」

河野
「数日から1週間と思っていただければ。第2便の承認をいただきましたので、来週には日本に届くと思います」


■全国一斉にシステムの稼働テスト

有働
「日本に予定通り、なかなか来ないと分かりましたが、どの地域から順に届くのでしょうか。例えば、緊急事態宣言が出ている地域を優先するなど順番は決まっているのでしょうか」

河野
「医療従事者の分については、100の病院に122箱を届けて、4万人に打っていただく準備が整ったことで、17日から始まりました。その後約370万人の医療従事者に向けて、19日、都道府県ごとに、まずどれぐらい分配できるかをお知らせしたいと思っています。高齢者向けは、4月に入ってまず配送がきちんとできるか、また新しく開発している(接種状況をリアルタイムで把握する)システムや、「V―SYS(ブイシス)」と呼ぶ、需給の調整をするシステムがきちんと動くかどうかテストしながら、徐々に供給量を増やしていきたいと思っています。少しずつ緩やかにスタートして、物事が間違いなく動くという確認が取れたところで、供給を増やしていきたいです。なるべく全国一斉に、いろんなところでテストができるようにしたいと考えています」


■都道府県別の優先順位は…?

有働
「高齢者やその後の一般の方への接種は、どの都道府県から始めるのでしょうか。均等にということでしょうか」

河野
「都道府県ごとに、しっかり出していきたいと思っています。最終的には高齢者の数が多い地域には少し多めに、などとどこかの段階で対応しないと終わりません。ただ、出だしのところはシステムのテストを兼ねるので、いろいろなところへ届くよう出していきたいと思っています」

有働
「そのシステムがうまく機能したとして、一般の人たちへの接種について、医療機関がひっ迫している東京や大阪に優先的に受けてもらう、あるいは人口が多い地域に受けてもらう、ということはあるのでしょうか」

河野
「今のところは都道府県全体にしっかり送っていきたいと思っています。ただ都道府県または市町村ごとに、接種能力に差がありますので、早く打てるところには次をしっかり送らないと間が空いてしまいますので、動き始めれば、どれぐらいの回数を打てるかに応じて供給をしていきたいと思っています」


■年齢や地区別に順番「自治体裁量」

有働
「自治体による情報収集は、うまくいくのでしょうか」

河野
「まず自治体に、いつごろからどのくらい届くかをお伝えしないと、なかなか会場を押さえたり医師らを何人配置したりが決まりませんので、4月の段階で何日からと決めて、そこからお願いをしていきたいと思っています。自治体の皆さんには今いろいろ準備をしていただいていますが、供給量が分からないと最後の詰めができないので、いろいろご迷惑をかけていますが、いろいろなアイデアを出して頑張ってくださっていますので、我々としてもそれに応えていきたいと思います」

有働
「供給が分からない中ですが、例えば高齢者の『65歳から』を引き上げて70歳以上に絞る、あるいはイギリスのように2回接種を優先するのではなく1回をなるべく多くの人にする。そういうことは検討されているのでしょうか」

河野
「65歳以上の高齢者にまず打っていただきますが、自治体によっては、『まず90歳から先に接種券を送ろう』、『90歳、80歳、70歳と年代ごとに順番に送り出す』としても、それは自治体の裁量の範囲です。また一度に接種券を送ると、予約の電話が鳴りっぱなしになると考えられますので『この地区から始めよう』と地区ごとに順番に出す、あるいは年齢で順番に出すなど、さまざまなことを自治体の裁量にお任せしたいと思っています。これは、確実に3週間で2回打つことをできるように、1回打った方には確実に3週間後に2回目を打っていただくということで、順番に進めていきたいと思ってます」

(後編に続く)