“崩壊クリスマスケーキ”…苦情など約980件に 「冷凍ケーキ」扱う際の難しい点は?
大手百貨店「高島屋」がオンラインストアで受注した「冷凍ケーキ」の一部が、崩れた状態で届いた騒動。クリスマスが終わっても、波紋を広げています。いつ、どこで、ケーキは崩れたのか――「冷凍ケーキ」を扱う際の難しい点は?
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神奈川県横浜市にある「レ・サンス」の厨房では、26日から「おせち」の準備が始まっていましたが、ケーキを監修したシェフは26日も、「クリスマス」の対応に追われていました。
レ・サンス 渡辺 健善オーナーシェフ
「高島屋も、すごいクレームばかりなので。そういう、ありがたい言葉は一番、頑張っていただける励みになります」
大手百貨店「高島屋」がオンラインストアで受注した、“冷凍ケーキ”約2900個のうち一部が、崩れた状態で届いたことで騒動となっているのです。当該のケーキは、「〈レ・サンス〉ストロベリーフリルショートケーキ」、5400円。
高島屋によると、配送開始から4日目となった26日の正午時点で、約980件にまで苦情や問い合わせが増えているということです。
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依然、謎に包まれているのは、いつ、どこで、ケーキは崩れたのか――。
レ・サンス 渡辺 健善オーナーシェフ
「ああいうことになるのは、どうなったらなるんですかって」
今回のケーキは、高島屋から依頼を受けたシェフがデザインなどを監修し、埼玉の「菓子メーカー」が製造、冷凍したケーキの配送は「ヤマト運輸」が請け負っていました。
そもそもシェフは5年前に、“フリル型”のチョコレートケーキを開発し、同様の構造をイチゴのケーキにも応用したといいますが……。
レ・サンス 渡辺 健善オーナーシェフ
「これですよ。下に、クギ(金具)もさしていますし。実験済みで、どうしてあんなグチャグチャになるのか。手で押したって、あたらない。この衝撃でも(箱に)あたらない」
ケーキを凍らせているうえ、滑り止めの金具も数本刺しているので、ある程度の衝撃を与えても崩れないことを“実験”で確認していたといいます。
レ・サンス 渡辺 健善オーナーシェフ
「配送の仕方とか、とけていないかとか、僕は、そこまで追いかけないと(原因解明は)できないかなと」
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26日、ネット販売が専門の別の会社で、「冷凍ケーキ」を扱う際の“難しい点”について聞きました。
こちらの工場の場合は、ケーキの土台を30分ほどかけて“急速冷凍”し、その上にクリームやフルーツなどをのせ、冷凍庫で凍らせていきますが、冷凍庫の温度をこまめに確認するといいます。
Cake.jp 佐藤正弥さん
「マイナス20℃を目安に保っております。3時間ごとに(温度を)はかることになっています」
ケーキが崩れないように、緩衝材を2重に使うなど、人の手で作業している際も、冷凍状態を目視で確認しているといいます。
Cake.jp 佐藤正弥さん
「天窓がついているので、ケーキの状態を見て、溶けていないか見ますし。フルーツがしっかりかたまっているかとか、動かないか揺らしてみて、判断はしています」
さらに、配送業者が冷凍車にケーキを積み込むまでの間も、車が出発する最後の瞬間まで、工場の担当者が立ち会うということです。
Cake.jp 佐藤正弥さん
「温度を保って配送するよう、協力してもらっています」
ここまで厳しくやっているため――
Cake.jp 佐藤正弥さん
「落としたとか、そういうのがなければ、崩れることはない」
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高島屋は、ケーキの購入者全員に電話でおわびをしていくとともに、引き続き原因の解明につとめていくとしています。