ウサギ寺“飼育崩壊” 住職が語るそのワケ
“ウサギ寺”として知られるお寺が、ウサギの飼育環境が不衛生だとして、保健所から改善指導を受けていたことがわかりました。お寺の住職が3日、取材に応じました。
境内に立つ大きなウサギの観音像。そして、飼われているたくさんのウサギ。新潟県佐渡市にある「長谷寺(ちょうこくじ)」は、ウサギの可愛いらしい姿が見られることから“ウサギ寺”として人気だといいます。
しかし、その“ウサギ寺”、ウサギの飼育環境を改善するよう保健所から指導を受けたというのです。
富田宝元住職「飼っているんじゃないからね。(外に)出て草を食べていただいて」
こう話すのは、長谷寺の富田宝元住職。住職によると、境内に生える雑草を食べてもらおうと、15年ほど前にウサギを放し飼いにしたのがそもそもの始まり。その後、ウサギは自然繁殖し、多いときには140匹ほどにまで増えたといいます。
富田宝元住職「お金かかるわけじゃん、草むしったり。それをウサギにお願いするというのが発想。(ウサギを)増やさないとできないでしょ、過密とかいろんなかたちの中で問題が生じた」
保健所は去年から、ウサギの飼育環境が過密で不衛生だとして改善を求め、寺も今年、新たな小屋を作ったほか、オスとメスを別々に飼うなど対応をとったといいます。
ただ、住職によると、寺の檀家は40軒ほどしかなく、寺の存続のためにはウサギは欠かせない存在だと話します。
富田宝元住職「(寺を)維持できないのよ、どうしますっていう話なのよ。もうウサギさまさまなのよ。ウサギにお願いしなくても境内を草むしったり皆さんにご協力いただければおのずと解決はできるんですが」
現在、ウサギは100匹ほどまで減ったといいます。さらに数を減らすよう指導されれば、寺は飼育を辞める可能性もあるとしています。