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「亡き夫の刀」フランスから77年ぶり帰国 98歳妻と再会 GHQに取り上げられ行方不明に

2022年12月9日 21:12
「亡き夫の刀」フランスから77年ぶり帰国 98歳妻と再会 GHQに取り上げられ行方不明に

戦後、GHQに取り上げられ行方が分からなくなっていた1本の日本刀が、77年ぶりに愛媛県宇和島市に住む家族の元へ戻ってきました。オークションで落札したフランス人が届けに来たのです。

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6日、愛媛県宇和島市の高齢者施設に暮らす宇都宮淑子さん(98)を元を訪れたのは、フランス人のミシェル・ラビニュさんです。

フランス人 ミシェル・ラビニュさん
「ハジメマシテ」

宇都宮淑子さん(98)
「お待ちしていました」

挨拶を終えてすぐ、ミシェルさんが見せてくれたのが“古びた1本の刀”です。

宇都宮さんの娘・潤子さん
「お父さんの字に間違いないやろ? さわっていいよ。さわってあげて」

宇都宮さんは、そっと手をさしのべました。実はこの刀は、宇都宮さんの今は亡き夫・政徳さんが太平洋戦争で身に着けていた物でした。戦後、GHQに取り上げられ、行方が分からなくなっていました。

しかし今年4月、フランスのオークションにかけられ、ミシェルさんが落札しました。刀に政徳さんの名前と住所が残されていたといいます。そこで、ミシェルさんは「この刀を家族のもとへ届けたい」と来日したのです。政徳さんの刀は、77年ぶりに日本へ帰ってきました。

宇都宮淑子さん(98)
「やっと日本にね、こうやって帰ってくることができました。本当にありがとうございました。主人が生きていて、これを受け取ったら、どんなに…。それだけが残念ですが、『おかえり』って言いたいです。『大変だったね』って言いたいと思います。長いことね」

この後、刀は政徳さんの墓前に手向けられました。今後は宇都宮さんの娘が大切に保管するということです。