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“震災前の”思い出の品展示場 閉鎖を決定

2021年3月8日 18:05
“震災前の”思い出の品展示場 閉鎖を決定

東日本大震災で最大震度6強の揺れと巨大な津波、そして原発事故に見舞われた福島県。震災から10年の節目にある場所が、その役割を終えようとしています。

福島第一原発からおよそ8kmのところにある、福島県浪江町では、津波などで182人の方が亡くなり、10年となる今も、半分以上の地域が帰還困難区域として、立ち入りが制限されています。

沿岸部の請戸地区でも、甚大な被害を受けましたが、港が整備され、いよいよ来月、10年ぶりに漁の通常操業が再開される予定です。

復興の新たなスタートを切る一方で、「思い出の品展示場」の閉鎖が決まりました。

「思い出の品展示場」は、ガレキの中から見つかった「大切な思い出」が、およそ1万5000点展示されています。これまで延べ1万人を超える方が訪れ、2500点以上が持ち主の元に帰りましたが、来場者は徐々に減り、今は月に100人程度。持ち主の元に帰る思い出の品も大幅に減りました。

こうした状況から町は閉鎖を決定。今月21日で最後となります。
残っている思い出の品の一部は、近くの震災遺構などで引き続き展示し、たくさんの写真は全てデジタル化して保管します。

浪江町役場住民課・中野隆幸課長「苦渋の決断というかたちになります。小さい時に撮った写真というのは、撮り直しききませんので、そういう意味では、写真を1品でも多く手元にお返ししたい」