じゃがいも高値…産地で何が 今後の価格は
じゃがいもの高値が止まりません。スーパーや飲食店では頭を悩ませる事態となっています。これから旬を迎える「新じゃが」も高騰が続きそうです。産地で何が起きているのでしょうか?
鍋で煮込まれていた、じゃがいもなどの具材をミキサーでペースト状に。香辛料を加えて煮込み、じっくりと寝かせれば、野菜や肉のうま味が凝縮された店こだわりの味に。東京、神保町のカレー店では材料のじゃがいもの価格高騰に頭を悩ませていました。
共栄堂・宮川泰久代表「これから下がってもらいたいね。願ってる」
1日におよそ10キロも使うじゃがいも。去年から値段が7割ほど上がっているといいます。
宮川泰久代表「日々大量のもの(じゃがいも)使ってるからツラいことはツラい。だけどそれをうちの商品の値段に、そしてお客様の方に転嫁するってことはできない」
スーパーでも高値が続いています。
ベニースーパー本部長・赤津友弥さん「例年に比べますとやはり2割から3割高く値段をつけないといけないような状況になっております」
お客さんは。
主婦(40代)「(さらに値上がりすれば)量を減らすかもしれないですし、ちょっとメニュー考えて使わないメニューにするかもしれない」
市場での取引価格のグラフをみると、今年の初めに1キロあたり150円台でしたが、今月に入り280円を超える日も。平年と比べて170%前後の高値で推移しているのです。
値上がりの原因はコロナ禍での需要の高まりと、収穫量のおよそ8割をしめる北海道での不作などだといいます。さらに、旬の「新じゃが」も。
赤津友弥さん「普通の年ですと100グラム38円、(今年は)100グラム48円という形」
実は値上がりしているのです。産地で何が起きているのでしょうか。
9日、鹿児島県で撮影されたじゃがいもの選果場の映像。じゃがいもの入った袋が並んでいますが、棚はスカスカです。9日の出荷量は例年に比べ半分ほどに減っているといいます。生産者に話を聞くと。
JAあまみ徳之島地区野菜部会・太田淳一さん「栽培環境がちょっと悪くてですね。昨年よりも2割から3割ほど減収って感じですね。出したいけれども、ものがないっていうような状況で」
鹿児島でも北海道に続き、天候不良による、不作が起きていたのです。
じゃがいも料理の専門店。
Lamp Light じゃがいも・苫米地正人オーナー「ポテトチップス専用として新じゃがを使っております」
「新じゃが」は、歯ごたえや揚げた色合いなどが、チップスに最適だといいますがこの高値について。
苫米地正人オーナー「高くなると困るという部分はあるんですけど。多少値段が高くてもこだわって、そのじゃがいも品種を使っております」
値が張っても、こだわって使い続けたいという新じゃが。
鹿児島県のJAは、収穫が来週以降から本格的になるため、出荷量は増えると予想していて、今後価格はやや落ち着く見込みとしています。