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苦境続く“銀座の名店”力合わせデリバリー

2021年3月11日 20:05
苦境続く“銀座の名店”力合わせデリバリー

変異ウイルスによる感染者の確認が全国で相次いでいます。11日、沖縄でも初めて確認されました。緊急事態宣言が続く東京では、人出が多いところもあり、感染者数のリバウンドも心配されています。

あちこちに行列ができるほど、多くの若者が訪れていた東京・新大久保。街にとっては、うれしいにぎわい…とは、やはり言い切れないようです。

新大久保商店街振興組合・伊藤節子理事長「お店にとっては、お客さんに来ていただかないと成り立たないんですけど、もうちょっと我慢して(宣言が明けて)もう大丈夫だよとなってから、いらしてほしいなと」

店側も懸念するほどの緊急事態宣言中の緩み。

20代学生「自粛という気持ちにはなれない。コロナはコロナっしょと思っています」

11日の都内の感染者数は335人。下げ止まりが続き、4日(木)と比べると、リバウンドするかたちになりました。さらに今後、警戒が必要なのは、拡大し始めている変異ウイルスです。11日、新たに沖縄県でも8人確認されていたことが判明し、これで、半分以上の都道府県で確認されたことになります。

これまでに、疑いを含めて399人が確認されている変異ウイルス。そもそも、変異ウイルスに感染しているかどうかは、PCR検査で陽性が確認された後、ゲノム解析などを行って確定します。

ただ、現時点で調べられているのは、各自治体で確認されている感染者の5%から10%。検査所の人手不足などもあり、9割以上は変異ウイルスかどうか調べられていないのです。

そこで進められているのが――

名城大学薬学部・神野透人教授「PCRの検査で用いられている装置を使って、簡便にかつ迅速に、主要な変異株を識別できる」

愛知県の名城大学では、PCR検査と同時に、どの変異ウイルスかどうかまで確認できる検査方法の開発に成功しました。

名城大学薬学部・神野透人教授「ほぼ(陽性判明と)同時に、イギリス型、南アフリカ型、ブラジル型の識別が可能になる」

今後、新たな変異ウイルスが出現した場合も、すぐに判別が可能になるといいます。

そして、感染収束のカギとなるワクチン。河野ワクチン担当大臣は、初めてワクチンの接種会場を視察しました。

河野ワクチン担当相「副反応はあるけども、やはり非常に効果の高いワクチンですから、多くの人にしっかり打っていただきたい」

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待ち望まれる感染収束。我慢が続く中、変わろうとしている街があります。東京・銀座です。

土佐料理祢保希・竹内太一社長「このままじゃ生き残れないかもしれないという危機感は、みんな持ってまして、なんか始めようということで」

苦境が続く銀座の飲食店は、ある取り組みを始めました。

すし店から弁当を受け取った女性。銀座の飲食店から、続々と弁当を預かり配達へ行きます。

土佐料理祢保希・竹内社長「銀座の有名店、人気店が集まってデリバリーを一緒にやりましょうと」

その名も「美味しい銀座デリバリー」。銀座の名店の味を、銀座の接客研修を受けた配達員が届けるサービスです。

土佐料理祢保希・竹内社長「(店同士)横のつながりはあったんだけど、それぞれ一国一城の主で、ちゃんと仕事できてましたから。新しい販路を、個人じゃなくて皆で作ろうと」


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新たな価値観は、意外なところにも生まれています。

この春、中学生になるという男の子。4月から袖を通す制服を、母親と買いに来ていました。

ゆずりばいちかわ・石垣瑠美代表「使い終わった制服や体操服を買い取って、再販売しているお店になります」

コロナ禍で、制服よりも体操服で過ごす時間が増えているという学校。そのため、“制服はリユースのもので”という人が増えているといいます。

母親「きれいだしね。いいなって思います」

まもなく迎える、コロナ禍での2度目の春。改めての我慢が求められます。