LINE 各地で続々「行政サービス」停止
「LINE」の個人情報に、業務を委託した中国の会社がアクセスできる状態だった問題。「住民票の申請」や「災害などの情報発信」といった、LINEを使った行政サービスを停止する自治体が相次いでいます。
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19日午後5時半すぎ、千葉・市川市役所を訪れていた親子が見せてくれたのは、LINEを使って申し込める行政サービスの画面です。
主婦(50代)「大型ゴミの処理の受け付けで申し込んだんですけど。自分の名前・電話番号・住所・住居形態、全部載ってますね」
ところが、市川市がLINEを利用した「住民票関係証明書」の申請など、本人確認が必要な行政サービスを一時停止にしたのです。
女性が登録していた「大型ゴミ」の申し込みは停止になっていませんが──
娘 (10代)「解除した方がいいかも」
主婦(50代)「解除?」
娘 (10代)「登録解除した方がいいよ」
主婦(50代)「帰ったら解除します」
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国内の利用者が8600万人にのぼるLINEに、今、逆風が吹いています。
武田総務相「いずれも運用を停止する予定です」
加藤官房長官「個人情報等の管理上の懸念が払拭されるまでは、利用を停止する等の対応を予定しています」
総務省や内閣官房でも、LINEの利用を停止する予定であることが明らかになりました。
発端は、個人情報保護の不備です。業務を委託した企業の中国人の技術者がLINE利用者の個人情報にアクセスできる状態だった問題。LINEは個人情報の漏洩などはないと説明しています。
しかし、大阪市も19日午後──
大阪市・松井市長「LINEでの様々な事業については、見直すよう検討に入れと指示しています」
LINEを通じた災害などの情報発信や、子どもからの相談窓口を順次停止することを決定。また、公共料金の支払いなども停止を検討しているということです。
千葉県も、LINEで利用予定だった医療従事者用の「新型コロナワクチン接種」の予約について、今後はネット予約のみにするとしています。
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総務省は19日、LINEの運営会社に対し、法律に基づき、詳細な発生原因や再発防止策の報告を求めました。
一方、政府の個人情報保護委員会も、LINEと親会社のZホールディングスに対して、法律に基づき、報告と資料の提出などを求めました。期限は23日としていて、資料などを検証した上で必要であれば法的措置を検討するとしています。
LINEのユーザーからは──
会社員(24)「情報が漏洩してしまうのかなと考えると怖いです。あんまり今後使いたくないなって」
会社員(20代)「(Q:LINE使わないでおこうと思う?)いや、ないと生きていけない」
3月19日放送『news zero』より。