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第4波へ警戒…「原則入院」の変異株も増加

2021年3月25日 20:00
第4波へ警戒…「原則入院」の変異株も増加

全国で新型コロナウイルスへの感染が再び拡大していて、第4波への警戒も強まっています。変異ウイルスの感染者も増え続ける中、検査体制はどうなっているのか。また「原則入院」の変異ウイルスの療養は従来ウイルスの場合とどう違うのか。詳しく解説します。

■東京 6日連続で前週を上回る
 
25日、東京都では新たに394人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。都内の感染者は、3日連続で300人を超えています。特に24日は420人と今月の最多を更新していて、前週との比較でみても、25日まで6日連続で前の週の感染者数を上回っています。
 
また、24日の全国の感染者数をみてみると、各地でリバウンドの傾向がみられることが分かります。大阪府で262人、兵庫で118人と、緊急事態宣言の解除後最多となっています。

そして、最近感染者が急増している宮城県では過去最多の171人、山形県では25日の最新データで、過去最多の49人。愛媛県でも過去最多の59人を記録しています。

■罰則も…尾身会長が言及した「マンボウ」とは
 
感染拡大が止まらない宮城県は、今月18日に県独自の緊急事態宣言を出して、25日から時短営業の要請をしていますが、政府分科会の尾身会長は25日、さらなる対策が必要だと述べました。

「私自身は宮城県それから国に『マンボウ』を含めた、感染対策が強力な対策を検討して、それから実施していただきたい」
 
尾身会長が対策を求めた「マンボウ」とは、「まん延防止等重点措置」のことです。緊急事態宣言の前の段階としてとられるもので、先月13日に新しく施行された改正特措法に規定されています。政府が、感染拡大や医療提供体制がひっ迫するおそれのある都道府県に出すもので、知事の判断で、市区町村単位など地域を細かく指定して出すことができます。

この「まん延防止等重点措置」が適用されると、緊急事態宣言が出されていなくても、知事が事業者に対して時短命令を出すことが可能になります。事業者が応じない場合は20万円以下の過料が科されます。また、飲食店や施設の入場者に対してもマスク着用などの感染防止措置をとるよう要請でき、従わない場合は入場を禁止することができます。

■幅広い世代で増える変異ウイルス
 
全国的なリバウンド傾向の中、変異ウイルスの感染者も増えています。厚生労働省によると、23日時点で変異ウイルスに感染した人の累計は、26都道府県で549人でした。前の週から150人増えています。
 
今月16日までに確認された変異ウイルスへの感染者399人について年代別にみてみると、幅広い世代で感染が広がっていることが分かります。40代が17%と最も多く、次いで10歳未満が15%、10代の12%と合わせると10代以下が全体の4分の1以上を占めています。

■ゲノム解析まで…変異ウイルスの検査体制
 
変異ウイルスの検査体制はどうなっているのでしょうか。

(1)PCR検査
まず、新型コロナウイルスへの感染の疑いがある人にPCR検査をおこない、陽性か陰性かの結果が出ます。所要時間は数時間です。

(2)スクリーニング検査
陽性となった人のうち5%~10%の人の検体を抽出して、変異ウイルスかどうかを判断するスクリーニングのためのPCR検査を行います。こちらも数時間で結果が出ます。

(3)ゲノム解析
スクリーニング検査で変異ウイルスの「疑いあり」となった場合、検体が国立感染症研究所に送られ「ゲノム解析」が行われます。これは、より詳しく遺伝子の配列を調べる検査で、変異ウイルスの中でもイギリス型、南アフリカ型、ブラジル型など、どの変異ウイルスなのかが分かります。これには数日以上かかります。
 
今月から、全国の地方衛生検査所で、変異ウイルスのスクリーニング検査が始まっていて、現在5%~10%程度の抽出率を、順次40%程度まで引き上げていくとしています。

そして変異ウイルスが確認された場合には、本人にも伝えた上で、その人の濃厚接触者などを積極的に追跡・検査する「疫学調査」を強化して、封じ込めを図っていくことになります。

■原則入院…変異ウイルスと従来ウイルスの違い
 
変異ウイルスへの感染が確認された場合は、従来型のウイルスの場合と比べて慎重な対応が必要になります。従来型ウイルスの場合は、軽症や無症状なら入院の必要がなく、自宅やホテルで療養しますが、変異ウイルスの場合は原則として入院が必要となります。また、退院の基準もより厳しくなり、PCR検査を24時間あけて2回受け、2回とも陰性とならなければ退院できません。

つまり、変異ウイルスへの感染者が増えると、それだけ入院患者数が増え、入院期間も長くなるので、医療体制の逼迫が懸念されています。
 
関西福祉大学の勝田吉彰医師は、「変異ウイルスはより感染しやすいので、これが広がることで従来型ウイルスに確実に置き換わっていく。ただ、変異ウイルスが100%になっても、私たちがとるべき対策は変わらない。大切なことは、日々の生活の中に対策を組み込んで、持続可能な形にしていくこと」と話していました。

どんなウイルスも時間とともに少しずつ変異し、その特徴も変わっていくものです。その実態をなるべく正確に把握すると同時に、私たち一人一人は、今まで通りの基本的な感染対策を地道に続けていくことで、変異ウイルスに立ち向かっていくことが大切です。

(2021年3月25日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)

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