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高齢者接種の優先順位は…自治体を独自調査

2021年4月2日 20:50
高齢者接種の優先順位は…自治体を独自調査

高齢者を対象にした新型コロナウイルスワクチンの接種に向けて、東京では、いよいよ来週から各自治体へのワクチンの配布が始まります。具体的にどういう順番で接種が始まるのか、どうすれば予約できるのかなど、詳しく解説します。

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■東京で新たに440人 3日連続の400人超
2日、東京都では新たに440人の新型コロナウイルスへの感染が確認されました。400人を超えたのは3日連続で、1日に続き前の週を上回りました。赤い文字の日は、人数が1週間前より上回った日です。

■東京、週明けからいよいよワクチン配布
東京では週明けから、65歳以上の高齢者を対象にワクチン接種の予約の受け付けが始まります。1日、政府分科会の尾身会長は「高齢者にワクチンが届く6月頃までが正念場」と述べ、高齢者にワクチンが行き渡るまでの間は、大きなリバウンドを防ぐことが最優先課題だと強調しました。

東京でのワクチンの配布スケジュールは、5日から世田谷区と八王子市で配布が始まり、12日からは足立区、杉並区など、19日からは葛飾区、新宿区などとなっています。

■ワクチン接種の優先順位は…都内53の自治体を調査
ワクチン接種の優先順位は自治体によって異なることから、日本テレビは、東京23区を含む53の市区町村に対し、電話調査を行いました。

まずは『誰からワクチン接種ができるか』です。回答は多かった順に、次の通りでした。

(1) 高齢者施設(33の自治体が回答)
(2) 先着順
(3) 高齢者を年齢で区切る(より高齢者から始める)
(4) 医療機関に入院中の高齢者(入院している人から)

最も回答の多かった『高齢者施設』の理由としては、接種に必要なクーポンを配るにあたって、高齢者が集まっている施設は人数が把握しやすいということや、クラスター発生の防止、高齢者の高い重症化リスクなどが挙げられました。

2番目の『先着順』については、「高齢者施設には市民ではない人も入所しているため、市民に対する公平性などを考慮して」という回答などがありました。

『高齢者施設』から接種を開始する自治体で、実際にその自治体に住民票がなくても接種できるのかという点については各自治体が調整中で、接種できる所とできない所が出てくる見込みです。

■「先着順」予約の取り方は? 八王子市の例
では、『先着順』の場合、実際にどのような手順で接種の予約を取るのでしょうか。例えば八王子市では、65歳以上の高齢者に対しては、すでにクーポン券の郵送が始まっていて、3日をめどに配布が完了する見込みです。予約の受け付けは5日午前9時から先着順で始まり、12日から接種がスタートする予定です。

予約は、インターネットか電話で行います。電話予約の場合は、配布されたクーポンに記載されたコールセンターに電話をします。インターネットの場合は、クーポンにあるQRコードを読み込むか、市のホームページから専用サイトにアクセスして、予約受付番号と生年月日を入力し、会場と日時を指定すれば予約できることになっています。このとき、名前や住所などを記入する必要はないということです。

高齢者の場合、電話予約の方が多いことも予想されます。電話だと回線が限られていて、なかなかつながらず、その間にインターネットで予約した人で希望の日時が埋まってしまうことも考えられます。事前に周りの人に聞くなどして、準備しておけると安心です。

ワクチンの在庫に余裕ができるのはゴールデンウイーク明けが見込まれるので、自治体によっては、その頃を待ってクーポンの発送や接種を始めたいとしているところもあります。八王子市も「4月中に接種ができなくても、5月以降には全員が接種できる体制が整うので、焦らずにお待ちください」と呼びかけています。

また、ワクチン接種の場所などの情報は、クーポンの発送と合わせて案内する自治体も多いので、「直接、医療機関などに電話することはくれぐれも控えてほしい」と呼びかけています。

■海外でのワクチン 2回接種の予防効果「90%」
ワクチン接種がいよいよ日本でも現実味を帯びてきましたが、日本で供給されるファイザー製のワクチンについて、先行して接種が進んでいる海外では「有効性が非常に高い」という実際のデータが続々と発表されています。

アメリカのCDC(=疾病対策センター)は、去年12月から3月中旬にかけて、ファイザーかモデルナのワクチンを接種した医療従事者らおよそ4000人の追跡調査の結果を発表しました。それによると、2回接種を終えた人の予防効果は90%で、1回の接種でも80%の予防効果が得られたということです。CDCは「これから接種する人たちに希望を与える結果だ」としています。

また、ファイザー社による最新の臨床試験の結果によると、接種から半年たっても91.3%と非常に高い予防効果が確認できたほか、重症化の予防にも95.3%と高い効果があり、さらに12歳~15歳の子どもに対しても100%の有効性が確認されたということです。

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日本でもいよいよ一般の人へのワクチン接種が始まることで、感染抑制への期待が高まっています。希望する人全員に一日でも早く接種が完了できるかどうかは、予約から接種までの段取りを、いかにスムーズに行えるかにかかっています。実務を担う自治体や医療機関に余計な負担がかからないよう、接種する側の私たちも意識していきたいものです。

(2021年4月2日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)