ワクチン“高齢者”予約開始 先着順に…
4月12日(月)から、65歳以上の高齢者の新型コロナウイルスのワクチンの接種が始まります。東京で一番早い八王子市では5日から接種の予約を受け付けました。
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午前9時前、東京・八王子市の障害者支援施設『NPO法人 しあわせのたね』。この施設では、ワクチン接種の予約の対象となる65歳以上の職員が4人います。
「番号これ?」
「違う違う。この青いやつ」
若手の職員がサポートをし、準備をすすめていました。今回対象となるのは、市内の高齢者およそ16万人のうち、「先着順」でわずか1900人分。4人が接種を急ぐ理由、それは──
串田九二男さん(71)「障害者の人が通ってくる施設なので、我々がかかってはいけないのと、もらってもいけない」
受け付け開始の午前9時、クーポンのバーコードを読み取りログインしようとしますが、画面は白いままです。
串田九二男さん(71)「だめだよ全然、つながらない」
午前9時20分ごろには、スマートフォンの画面に「終了」の文字が。結局、1人も予約できませんでした。
串田九二男さん(71)「老人だけの家庭(ではスマホでの予約は)なかなかやりにくいんじゃないか」
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一方、5日朝、中沢金也さん(68)・恵美子さん(70)夫婦も、クーポン券を用意して受け付け開始を待っていました。スマホに慣れていないため、電話で予約をとるといいます。夫婦には、ワクチンをいち早く受けたい理由がありました。
夫婦で居酒屋を経営している中沢さんは、およそ2か月間、店を休業していましたが、緊急事態宣言が解除された先月22日には、翌日から店を再開しようとしていました。しかし、不安も──
恵美子さん「うちなんか狭い店だから、うつってしまうと困る」
高齢で感染リスクがある中、安心して営業したい。そこで夫婦は、いち早くワクチンを打つことを希望しているのです。
中沢金也さん「今まではドキドキしながらやってたんだけど、『ドキドキ』がワクチン打って『ドキ』くらいになるんじゃない」
そして、5日午前9時、予約をしてみると。
中沢金也さん「通れ」「あっ混み合ってるって」
電話はつながらず、今度はインターネットも試してみます。
中沢金也さん「どこ押すの、これ」「あー!はや!」
開始20分でインターネットの受付が終了。中沢さんは、その後も電話をかけましたが、つながりませんでした。八王子市によると、電話での受付は1時間半で定員になったといいます。
来月以降の接種予約について、八王子市は、来月1日に市の広報誌などで周知するとしていますが、「希望される方は全員接種できるので慌てないでほしい」と呼びかけています。