東京も“変異株”増 「まん延防止」適用へ
■適用は12日から 23区と6市で調整
東京都は8日、政府に「まん延防止等重点措置」の適用を要請しました。
小池知事
「政府において、東京都の方からの要請で、『まん延防止等重点措置』を取る方向で手続きを進められると聞いております。やはりここで大都市間の往来を控えるなど、これまで以上に対策を練っていかなければ、これからの感染の拡大が厳しい状況になると考えております」
菅首相
「5大臣会合を開催いたしまして、9日に専門家会議に諮ることを決定いたしました」
――もう少し強力な対策をすべきというお考えは?
「『まん延防止対策』というのは強力だという風に思っています。(時短要請が)夜8時までですから。そういう全体を見た中で、要請してこられたんだろうと思います」
政府は東京都に「まん延防止等重点措置」を適用する方針を固め、9日に専門家会議に諮った上で国会に報告し、対策本部を開いて正式に適用を決定する方針です。
複数の与党幹部によると、対象地域は23区と八王子、立川、町田、府中、調布、武蔵野の6市で、期間は4月12日~5月11日とすることで最終調整しています。
■商店街「徹底的に」「つらい」
緊急事態宣言が解除されてから、まだ3週間弱。都内の下北沢南口商店街で、時短要請が再び強化されることについて聞きました。
バーの店員
「いつまで続くんだろうな(という感じです)。中途半端にならないようにしてもらいたい。やるなら徹底的にというか、きっちり店を開けないくらいの感じ(の要請)にしてもらって…」
バルの店主
「夜のお客さんがメーンだったので、正直また厳しいなという感じですね。要請に従わず遅くまで営業している店も見かけるので、(時短要請を)守っているのに報われないみたいな、つらい気持ちがずっと続いています」
お好み焼き店でアルバイトする大学生は、「『これから(出勤が)減る』みたいなことは言われました。バイトが減った分、自分はどうしなきゃ、というのは考えていて。『シフト減らされちゃったから親にお金を頼まなきゃ』という子も(います)」と話しました。
■変異「N501Y」拡大…東京20人
8日の東京の感染者は545人。2日連続で500人を超えました。前の週の同じ曜日の感染者数を8日連続で上回っています。東京都のモニタリング会議では、専門家が危機感をあらわにしました。
国立国際医療研究センター・大曲貴夫医師
「新規陽性者数の増加比がさらに上昇することが予想され、結果として新規陽性者数が爆発的に増加し、第3波を超えるような経過をたどることが危惧されます」
感染が爆発的に広がる可能性があるといい、その要因の1つに挙げられているのが、関西圏で広がる、感染力が強い「N501Y」変異ウイルスです。東京では新たに20人の感染が確認されました。
大曲医師
「2週間前の3月24日時点では合計が31件でしたが、4月7日時点では合計149件と、同様の変異株が著しく増加しています。従来株から変異株に流行の主体が移る可能性もあります」
小池知事は取材に「東京も、いつ大阪のような状況になってもおかしくない。今ここで重要なことは、人の流れをいかに抑制するかということ。夜間の滞留人口が、緊急事態宣言下と比較しても高い水準にあります。重要なお願いとして、都県境を超えた外出をお控えください」と呼びかけました。
■街コン 参加者の“悩み”
こうした中、都内のカフェでは「街コン」が開かれていました。参加していたのは男性6人と女性5人で、ある悩みを抱えていました。
参加した女性
「出会いの場が少なくなっているかなとは(思います)。いい出会いのきっかけがあればなと思って参加しました」
参加者は「最近はちょっと落語が好きで」「お~!」「ゲームは何やってる?」「モンハン(モンスターハンター)ばっかりしてます」など会話を楽しみましたが、感染対策は徹底していました。席を移動する際は必ず手を消毒し、マスク着用も義務となっています。
別の女性
「飲み会が減りました。友達からの紹介とかもなくなっちゃった」
参加者は例年の9割以上減っていますが、運営会社の代表取締役は「1人でいればいるほど、孤独になる方もおられますので(参加する)」と話しています。
(4月8日『news zero』より)