式の延期や中止…特別な時間を新スタイルで
新型コロナウイルスの影響で結婚式の延期や中止が相次ぎ、大きな打撃を受けているブライダル業界。そんな中、新たなスタイルで2人の特別な時間を届けようとする取り組みが誕生しました。
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フリーウエディングプランナーの谷本幸由理さん。去年3月以降、担当していたほとんどの結婚式が延期・中止を余儀なくされました。
谷本幸由理さん「(これまでは)結婚式があるのが当たり前で。それ以上にお客様が結婚式ができないっていうことが本当につらく思っていらっしゃる方が多くて。その話を聞くたびに心が痛い」
ブライダル業界では去年1年間、およそ28万組に影響し、9500億円という大きな損失があったといいます。
結婚式がかなわない夫婦に笑顔を届けたい。谷本さんが去年9月から始めたのが、クルージングフォトです。
谷本幸由理さん「つらい思いをされている新郎新婦様に(新婚)旅行がかなわないという1つさみしさがあったので、旅行に代わる何かというのを作ってあげたいなというのがあって」
世界から『東洋のエーゲ海』といわれる瀬戸内海をチャーター船で巡り、2人だけの特別な思い出を残してもらおうというプランです。
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今月10日。1組の夫婦が谷本さんのもとを訪れました。
もともと、去年4月の挙式を予定していましたが…。2度の延期で式は来年5月に行われることに。
谷本幸由理さん「なかなかね、海の上で撮影というのがないじゃないですか。良い機会だと思うんで、楽しみにしといてもらえたら」
ドレスに身を包み、準備が整ったらクルーザーに乗り込み、いよいよ瀬戸内海に向けて出発です。
カメラマン「お互いの顔見合ったりとか。もうちょいお互いの上半身を…そうです。ずーっと顔近づけていく感じ、オッケー!もうちょっとイチャイチャ感上げていって」
爽やかな青空と海を背景に。さらに、普段みることのない瀬戸の島々でも。写真のほか、ドローンなどによるムービー撮影なども可能です。
新婦「めっちゃきれい。何これ!すごーい。こんなところが丸亀に」
丸亀市の本島など、さまざまなスポットでこの日だけの姿を残していきました。
新婦「どうしても(結婚式を)延期すると気分が沈んだりとか、ちょっとモチベーションとかが落ちちゃったりするんですけど、モチベーションも保てるというか。本番に向けて頑張ろうみたいなものもありますし、非日常感というか。普通の結婚式場では体験できないようなことが体験できるので」
谷本幸由理さん「瀬戸内海の良さって意外と地元の皆さん知らないでいらっしゃるので。その良さを伝えていくというのが、観光からだけじゃなくウエディングの面から伝えていくというのが、ビジュアル的にもすごく伝わりやすいんじゃないかなと」
最後はヨットに乗り換え、タイラギなど瀬戸内の海の幸を使った料理を堪能。美しい夕日も優雅に楽しむことができます。
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2人の記憶に永遠に残る思い出を。
カメラマン「最後、爆笑バージョンもらっていいですか」
コロナ禍の今だからこそ、多様化するウエディングの新たなスタイルとして注目されそうです。