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瀬戸内海に大量のゴミ…立ち上がった中高生

2021年2月19日 5:58
瀬戸内海に大量のゴミ…立ち上がった中高生

つながるOha!4、特集『SDGsとつながろう!』を、お伝えしていきます。地球温暖化とともに海洋汚染も問題は山積みです。今回は、瀬戸内海に散乱した大量のゴミ問題に立ち上がった中高生たちの活動を、岩田絵里奈キャスターが取材しました。


◆瀬戸内海に大量のゴミ?中高生が海の豊かさを守る活動

岡山県にある山陽学園中学校・高等学校「地歴部」の顧問・井上貴司先生と、高校3年生の部長・田中美有さんに話を聞きました。

岩田キャスター「地歴部はどんな部活なんでしょうか」

井上貴司先生「地歴部は、本校の中学生と高校生が瀬戸内海の海洋ごみ問題、特に海底ごみ問題や、島しょ部の漂着ごみの問題の解決に向けて、生徒たちが漁船からの回収活動や島に渡っての回収活動に取り組んでいます」

一見、穏やかで美しく見える瀬戸内海。しかし、海や島々には大量のゴミが集まっているのです。

そこで、この問題を解決するため、賛同する漁業関係者に船を出してもらい、瀬戸内海の底に沈んだゴミを引き上げたり、島の沿岸に漂着したゴミを拾ったりするなど、SDGs14番目の目標「海の豊かさを守ろう」に該当する活動をしているんだそうです。

岩田キャスター「海底ゴミを目の当たりにした時、どう思いましたか?」

田中美有さん「最初に中学1年生の時に海底ゴミを回収したときに、底から揚がったゴミをみて、その中にはもちろんエビやシャコなど生き物もいっぱいいるので、海の生き物が海の中でゴミと一緒に生活しているのだなと実感しました」

時には、人口30人ほどの島でおよそ2000個のペットボトルを回収することも……。どれだけ拾い集めても、1か月後には元に戻ってしまうんだそうです。


◆ゴミの起源はどこ?

実はこれらのゴミの多くは、島の対岸にある岡山県から流れ着いたものだといいます。

岩田キャスター「引き揚げられたゴミはその後どうしているんですか?」

田中美有さん「一部は学校に持ち帰って、賞味期限や販売店が特定できるものは記録して、ゴミの起源がどこかをできる限り遡っていくという調査を行っています」

地域のどこに、どのようなゴミが落ちていたのかをまとめた「ごみマップ」。青い線で書かれた河川には、ペットボトルや空き缶のほか、バイクや洗濯機なども捨てられていたことがわかります。

さらに、啓発活動の一環として「海ゴミかるた」を作成し、講演活動のあとにゲーム大会を開き、楽しみながらこの問題を知ってもらう活動もしているんだそうです。

井上貴司先生「この問題について、他人事ではなく自分事として考えていただきたい。どうしても他人事で、海の近くの問題という意識がある。皆さんの足元にはこれだけのゴミがある。その用水路からのゴミが川を下って海へ流れ出ているので、問題は遠い所にもありますが、身近な所にもあるということをしっかりと示すということが大切」


◆地歴部がいま伝えたいこと

このような活動が評価され、地歴部は、国のSDGs推進本部から表彰されたほか、G20など世界のイベントにも参加しています。

いま伝えたいことは……。

田中美有さん「私は、まだこの問題を知らない人に海洋ゴミ問題について知っていただきたいなと思います。本当にこの問題を解決しようと思ったら、問題意識がない人や問題についてまだ知らない人に啓発することが大切かなと思いました。まず知ってもらうだけでもいいので知ってもらって、そうしたら自然と生活の中で意識が芽生えてくると思うので、私たちはそういう方々に伝えていきたいと思います」