【解説】中国軍が日本にサイバー攻撃…ナゼ
中国軍には『サイバー攻撃隊』というスパイ映画に出てきそうな部隊があり、実際に日本の200以上の企業の機密情報などが狙われたと、20日、警視庁が驚きの発表をしました。
日本の航空関連、防衛関連の企業が2016年~17年にかけ、大規模サイバー攻撃を受けました。宇宙の研究開発を担うJAXAも攻撃対象になっていました。
警視庁が調べていくと、使われていたのは日本国内のレンタルサーバー。中国共産党員の男が偽名で契約し、IDを取得。そしてそのIDを中国の「Tick」と呼ばれるハッカー集団に転売していました。
さらにTickは、山東省青島を拠点とする中国軍『61419部隊』につながっていると言われていて、軍が命じてサイバー攻撃を行っていたとみられています。
アメリカでの研究によると、中国人民解放軍は「ネットワークシステム部」という部局があり、サイバースパイ活動、コンピューター攻撃、敵の情報システムの妨害・かく乱が任務だと言われています。
対象とする地域別に部隊に数字が付いていて、日本と韓国を対象にするのが『61419部隊』だと言います。
なぜ、日本の情報を狙うのでしょうか。例えば、JAXAといえば宇宙ロケットです。サイバー攻撃のあった2016年は、中国が宇宙開発計画を発表した年で、この年に新型ロケットを次々と打ち上げています。日本からもロケットに関する技術を集めたかったとも考えられます。
JAXAは「情報漏洩はなかった」と言っています。
今回、警視庁が警鐘を鳴らす意味で、中国軍を名指しで発表しました。中国外務省は「根拠なく推測してはならない」と反発しています。
日本が身を守るには、サイバーセキュリティにお金をかけて、強化していくしかありません。例えば、公安や警視庁にあるサイバーセキュリティの部局にお金をかけて、予算・人材ともに強化するなどの対策が必要です。
アメリカも中国のこうした動きに警戒しています。日本もこれからは外国とうまくつきあっていく必要があります。