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“宣言”延長か 人出減少も厳しい医療体制

2021年5月5日 18:30
“宣言”延長か 人出減少も厳しい医療体制

5日で新型コロナウイルス感染抑制に向けて、多くの人が外出自粛に努めたゴールデンウイークも最終日。一方で、緊急事態宣言の期限まで1週間を切り「延長か」という声も聞こえてきました。最新の感染状況とともに詳しく解説します。

■全国感染8日連続4000人超 重症者は最多

5日、東京では新たに621人の新型コロナへの感染が確認されました。2週間前(4月21日)は843人、1週間前(4月28日)は925人で、特に先週と比べると300人以上減ったことになります。連休で検査数が減っていることもありますが、2日連続で600人台となっていて、前の週の同じ曜日を下回りました。

ただ、4日の全国の新規感染者数は4199人で、8日連続で4000人を超えています。大阪は884人、兵庫は337人で、長崎では過去最多の62人となりました。緊急事態宣言が出ている都府県から、だんだんとその周辺に広がっている様子も見受けられます。

さらに全国の重症者は、4日時点で、前日から31人増えて1114人となり、これまでで最も多くなりました。厳しい状況が続いています。

■連休中、多くの人が外出を自粛

4日午後3時台の東京・渋谷の人出は、去年5月の休日と比べると91.8%も増えていますが、去年1月?2月の「感染拡大前」と比べると48.1%も減っています。この連休中、多くの人が外出を自粛していることが分かります。

大阪・梅田の4日の人出は、去年5月の休日と比べると15.2%増えていますが、感染拡大前と比べると73.7%も減っています。

専門家は、「人との接触をできるだけ、去年の宣言の時と同レベルの『8割減(80%減)』に近づけてほしい」としています。

大阪・梅田では、3月の人出の減少は6%台でしたが、そこからどんどん減少し、最新の数字では73.7%の減少になっています。

渋谷は、「80%減」にはまだ届きませんが、4日はマイナス48%。宣言が出てから以前の半分くらいまで人が減ったことになります。

■依然として厳しい医療体制

一方で、医療体制の厳しさは変わっていません。緊急事態宣言が出た先月25日と今月1日を比べると、重症者の病床使用率は、東京では36%から33%になりましたが、これは依然として2番目に深刻な状況を表す「ステージ3」の数字に該当します。大阪では100%から95%になりましたが、これも依然として最も深刻な状況を表す「ステージ4」の数字となっています。

しかも大阪では、重症患者があふれていて、本来は重症用ベッドで診るはずの患者を、中等症の患者を診る病院でも診ているというのが現状です。それを含めた「実質的な使用率」は、最新の数字で124%にもなっています。

■延長か…どうなる緊急事態宣言

こうした状況で、いま最も気になるのが、11日に期限を迎える緊急事態宣言を延長するのかどうかです。複数の政府・与党幹部によると、4都府県に出ている緊急事態宣言について、政府は延長する方向で調整を進めています。

政府高官は「新規感染者数が減っていない。このままでは解除するのは難しい」と話しています。ある政府関係者も「緊急事態宣言の効果をもう少し見たいが、休業要請もしている中、来週11日の直前に判断するわけにはいかない。宣言を延長するしかない」と話しています。解除は難しいという認識で、政府内では、期限を「2週間程度」延長する案などが検討されています。

仮に2週間延長とすれば「5月25日まで」となります。24日には東京と大阪で「大規模接種センター」を開設する目標で動いているので、ここが目安になっている可能性も考えられます。

ただ、延長するとしても、これまでと同じ要請を続けるのかについては、政府関係者から「人流を抑える意味で、これ以上(内容を)強化するのは、もうない。今のように強い要請だと長くできない。いろいろな組み合わせで議論するのでは」との声も聞こえてきています。

現在、緊急事態宣言は4都府県に出されています。さらに7県に、まん延防止等重点措置が適用されています。そして新たに、北海道、福岡、徳島も、まん延防止等重点措置の適用を政府に要請する動きになっています。

宣言延長かと聞くと、「またか」「これ以上、どうやって頑張るの」と思われる方も多いと思います。政府や自治体には、この連休を我慢して過ごした多くの人たちの行動が報われるような、実効力のある対策やメッセージを打ち出してほしいと思います。

(2021年5月5日16時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)