発熱外来に多くの人 接種で“便宜”謝罪も
感染拡大がとまらない中、発熱外来を持つクリニックでは診察を待つ多くの人の姿がありました。一方、ワクチン接種をめぐり、愛知県西尾市の副市長らが、「スギ薬局」を展開する「スギホールディングス」の会長夫婦に対し便宜を図っていたことがわかりました。
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感染拡大がとまらない中、発熱外来を持つクリニックではある現象が。診察を待つ多くの人たちの姿です。
東京ビジネスクリニック・内藤祥医師「急激に増え始めたのがゴールデンウイークの少し前からで、緊急事態宣言が出始めるような時期から急激に患者さんが増えている印象です」
こちらのクリニックでは患者との接触を減らすため、リモートで診療。問診後にはコロナの検査を行っていますが、10人に1人は陽性で、そのうちの2~3割ほどが、変異型だといいます。
内藤祥医師「発熱の方が増えますと、それ以外の一般の目的で受診される方の枠が少なくなりますので、予約しにくくなるとか」
診療にも影響が出ているといいます。
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高齢者を対象にしたワクチン接種も本格的に開始。神奈川県川崎市では11日から高齢者を対象にした集団接種が始まりました。
接種した人「(接種を終えて)ホッとしたという気持ちですね。(接種)しなくても大丈夫かなと思ったが、やはり念のためと思って打った」
川崎市では3週間後に2回目の接種を始める予定だということです。
高津区役所危機管理担当・高木克之課長「これまで準備期間もなかなか短い中、いろいろ苦心した部分もあるが、とりあえず円滑に動いていて安心しているところです」
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そのワクチン接種をめぐり愛知県・西尾市では。
西尾市・中村健市長「接種の公平性を欠き、市民の皆様からの信用を著しく損ねてしまったことに対しまして、心からお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」
公平性を欠いたというのは、スギ薬局を展開する「スギホールディングス」の会長夫婦への便宜。市によりますと2人は西尾市在住で、スギホールディングス側から「早くワクチンを打ちたい」と再三要望があったということです。
当初、市は、特別扱いはできないと説明していましたが、最終的に近藤副市長が2人の予約枠を優先的に確保するよう指示をしたといいます。
西尾市・近藤芳英副市長「私の判断の根底には、スギホールディングスの会長ご夫妻には、これまで様々な形で支援をいただいている。なんらかの形でお返しできないかと考えたものでございますけども、本当に浅はかであったと」
接種は10日、行われるよう予約枠を確保していましたが、指摘を受け取り消しました。
11日、ワクチン接種に訪れた人からは予約にかなり苦労したという声が。
70代「回数でいったら(電話を)70回はしている。もうちょっとであきらめようと」
それだけに。
70代「やっぱりもう公平にやってもらわないと」
この問題をめぐり、スギホールディングスは先ほどホームページ上で「深くお詫び申し上げます」とコメントしました。
「当社秘書が西尾市役所にお問い合わせをさせていただいたことに端を発します。その使命感ゆえに何度かお問い合わせを繰り返したことについてご迷惑をおかけしたと考えております」としています。