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ワクチン接種“ネット予約”でトラブル続発

2021年5月13日 11:30
ワクチン接種“ネット予約”でトラブル続発

新型コロナウイルスワクチンの接種加速へ準備が進む中、各地で12日、予約できなくなるトラブルが続発しました。一方、6月にも五輪選手への接種を始める調整がなされていることが判明。茨城県知事は、選手らの専用病床の確保を拒否したと明らかにしました。 


■7月末に高齢者「8割接種」見込み

新型コロナウイルスのワクチン接種について12日夜、菅首相は「全国の85%を占める1490の市町村で7月末までに高齢者の接種が終わる、そうした報告を受けました」と述べました。

総務省は、郡部など医療従事者が少ない地域に、都道府県や民間の支援を回すなどして、計画の前倒しを図りたいとしています。

24日に東京と大阪で開設される大規模接種センターをめぐっては、防衛省は17日から、専用のウェブサイトとLINE(ライン)で接種予約を始めると発表しました。

中山防衛副大臣は、電話受け付けをしない理由について「(電話は)オペレーターの人数によって一度に受け付け可能な件数が左右されるが、インターネット予約システムの場合はサーバーの増設を図ることによってアクセス増大に容易に対応可能である」と説明しました。

■ワクチン接種“加速”は…トラブルも

ワクチン接種をめぐっては12日もトラブルが起きました。

大阪府和泉市では午前9時から、75歳以上を対象に予約を受け付ける予定でしたが、システム障害が発生し、予約できない事態となりました。

和泉市の担当者
「朝8時ごろにシステムが立ち上がるかどうか確認した時に、立ち上がらない状況になってしまいました。午前中にコールセンターには100件程度の問い合わせがありました」

和泉市は予約の受け付けや管理に外部のシステムを利用していて、そのシステムを提供するアメリカのIT企業のサーバーで障害が発生したことなどが、原因とみられています。

このトラブルは各地であり、和泉市と同じシステムを利用する東京都狛江市でも、12日朝から始まる予定だった接種予約が一時停止されました。防災無線で「ワクチン接種の予約が、システム障害でできません」と流れました。その後システムは復旧し、受け付けは再開されました。

■競技団体 選手へ「意思確認」も

東京オリンピック・パラリンピックをめぐる動きもありました。

関係者によると、日本選手団への接種が、早ければ6月にも始まる方向で調整されていることが分かりました。ただ、関係者は「『ワクチンが足りていないのに、自分たちが先に打っていいのか』と言っている選手もいる」と明かします。

競技団体によっては、選手らに接種するかどうか意思確認をしているといいます。

■五輪選手への病床確保「拒否」

一方、茨城県の大井川知事は12日、「五輪選手用の専用病床を用意してくれという打診があった」と会見で明らかにしました。茨城県によると、組織委員会から「選手や関係者が感染した場合に受け入れる病床を確保してほしい」と依頼があったといいます。

大井川知事
「われわれとしては、県民と五輪選手を分け隔てする必要性も感じていませんので、それについてはお断りしています。仮に(病床の確保を)迫られる状況の中で、五輪選手を優先するというのは、なかなか認められないんじゃないかなと(思います)」

「県民より選手を優先できない」として、大井川知事は病床確保の要請を拒否しました。

■橋本会長「地域医療に支障のない体制を」理解求める

これに対し、組織委員会の橋本会長は12日夜10時ごろの会見で、「各自治体のトップは、各都道府県の皆さん方の健康を守るというのが最大の使命であると(いうのは当然)。万全のコロナ対策を講じることで、感染を防いで医療にお世話にならなくても済む体制というものを、できるだけ早い段階で構築していかなければいけない」と話しました。

(5月12日『news zero』より)

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